買い物中の尿漏れで自己嫌悪、トイレに駆け込んでも窮地に…61歳「前立腺がん患者」が語る“想像を絶する異変”

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サニタリーボックス

 尿漏れで一喜一憂しても仕方がない。リハビリを行っているが、効果が出るのは時間がかかる。術後6カ月が経過しても漏れていれば、別の対応策を試すと泌尿器科医から説明を受けていた。

「脱衣場で漏らしてしまうなら、浴室で体を拭いて出ればいいのです。尿を漏らすからといって、私の価値が下がるはずもない。今ではそう思えるようになりました。実際、漏らすのが嫌で引きこもりになってしまう人もいるそうで、そういう方はなかなか治らない。じゃんじゃん漏らしながらゴルフをするような人のほうが回復は早いそうです」

 職場復帰も果たしたが、尿を漏らすようになって困ったことが起きた。男性用のトイレにはサニタリーボックスがないのだ。高級なシティホテルや国会にも仕事で訪れたが、尿漏れパッドを捨てる場所はなかった。

「私は内勤ではありません。外回りをしていると、尿漏れパッドが満タンになってしまうことがあります。トイレの個室で取り替えることは簡単ですが、捨てる場所がないのです。サニタリーボックスはもちろん、最近のトイレはゴミ箱も撤去しています。仕方なくビニール袋にくるみ、ジャケットのポケットに入れます。この状態で次の訪問先に向かったり、人と会ったりするのは、どうしても申し訳ない気持ちになってしまいます」

骨盤底筋体操

 男性は今、泌尿器科医の指導を受けながら、骨盤底筋体操に励んでいる。尿漏れの改善に効果が期待できると説明を受けており、ネット上でも様々な関連記事が公開されている。

「要するに、お尻の筋肉を鍛えるわけです。ちょっと恥ずかしい話ですが、私は浴槽に入りながら、肛門に指を当てます。骨盤底筋体操を試すと、力が入っているのは腹筋ばかりで、お尻の筋肉を全く使っていないことが分かります。自分は尿を漏らしているという事実を冷静に受け止めながら、治療できるという希望も持つ。こんな態度で、術後の日常生活を続けています」

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