ステージBと診断された61歳「前立腺がん患者」の告白 屈辱的な激痛の針生検、医師の言葉に有頂天になったことを後悔

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ダ・ヴィンチの威力

 前立腺がんのステージは「1、2、3、4」ではなく「A、B、C、D」と分類され、男性は「ステージB」と言われた。左右の前立腺に計24本の針を打ち、右側に打った12本のうち6本からがんが発見された。

「早期の前立腺がんであり、悪性度は高いと言われました。『ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術(ダ・ヴィンチ)で根治を目指すことが可能です』との説明に、少し冷静になることができました。『もう二度とネットで病気に関しては検索しない』、『お医者さんを信頼しよう』と心に決めました。手術で治るというのは朗報だった一方、術後の尿漏れと男性機能の喪失という可能性には、かなりの不安を覚えました」

 ダ・ヴィンチとは、腹腔鏡手術の進化系と言える。従来の腹腔鏡手術はカメラ越しに細長い器具を操作する難易度の高いもので、医師には一種の職人芸が求められた。

 一方のダ・ヴィンチは、バーチャルリアリティーの3次元立体映像を見ながら操作し、仮に執刀医の手が震えたとしてもロボットが補正してくれる。精確な手術が保証されることで、操作する執刀医も思いきってメスを入れることができる。

「前立腺がんの治療には手術、放射線、化学療法などがありますが、担当医は手術がベストという見解でした。特にダ・ヴィンチの場合、出血量が50ccと極めて少なく、術後翌日には歩けるようになるほど回復が早いのだそうです。勤務先近くの泌尿器科でセカンドオピニオンを依頼しましたが、やはり手術がベストだと言われました。さらに、男性機能の回復は難しいが、尿漏れはリハビリで回復が可能との見通しも示されました」

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