波乱のセンバツ、強豪「履正社」がまさかの初戦敗退…そこに見えた“わずかな綻び”と“希望”
同点打と“紙一重”の打球
また、プロ注目の西は、抜群の脚力とヘッドスピードでスカウト陣にアピールしたほか、4番でキャッチャーの坂根は、スローイング、バッティングともに力強さは健在だった。特に西は、冬の間にスイングスピードを強化していきたという。5打数1安打に終わったものの、あと少しで長打になりそうな場面もあった。
それは、逆転を許して、履正社が1点を追う9回表。ノーアウト一塁で、西は送りバントではなく、“強硬策”に出た。西が放った打球は、こすったような当たりだったにもかかわらず、あわやレフトの頭を超えそうになるまで飛んでいった。惜しくもアウトになったものの、同点打と“紙一重”の打球だった。
多田監督は、試合後のインタビューで「あの場面は(チームで一番信頼できる)西だったので打たせました。これまでの試合でもそうしてきたので、迷いはなかったです」と断言していた。この試合では、結果は出なかったものの、多田監督の“個の力”を伸ばそうという明確な方針は、非常に理解できる。
選抜での悔しい敗戦を糧に、チームとして一回り大きく成長してほしい。大阪桐蔭と名勝負を繰り広げて、大阪代表として、夏に再び聖地・甲子園に戻ってくることを期待したい。
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