「水分」とりすぎ? 特に「低気圧頭痛が…」という人が意識したほうがいい“余分な水分”とは

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 健康や美容の面でも「こまめな水分補給」を推奨されていますが、その一方で体内の“余分な水分”を意識できている人は少ないのではないでしょうか。

 気圧が低下したり大きく変動したりするタイミングで、頭痛がする、ズーンと体が重くなる、めまいがする……そんなお悩みをお持ちの方も多いでしょう。体内の水分量の調整が、体調改善に役立つかもしれません。

『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』から、一部抜粋・再編集してお届けします。

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体内の水分量が影響しているかもしれません

 東洋医学では体調を悪くする余分な水分を「湿邪」と呼び、「頭が重い」、「体がだるい」といった諸症状の原因になっていると考えます。

 原因は、体内に余分な水分が取り込まれ、うまく排出できないから。さらに自律神経の乱れがあると、頭痛や胃腸の不調などにもつながりやすくなります。

 梅雨時に体調を崩す人が増えるのも、過剰な湿気による「梅雨だる」です。そうならないよう、東洋医学では漢方薬やツボ押しなどで体内の余分な水分を排出。また、利尿作用がある食材を食べたり、運動で汗をかいたりして、むくみ解消を図ります。

 梅雨時に体調を崩しやすい人は、「湿」のコントロールにも目を向けてみると、体調が改善するかもしれません。

「水分」を排出するには豆もやしが最適

 漢方アドバイザーで、国際中医薬膳管理師の久保奈穂実さんは、体に「湿」がたまって頭痛になる人に向け、「湿」を排出しやすい料理のレシピをSNSなどで発信しています。例えば「雨の日頭痛対策」としておすすめしているのが「豆もやしの塩昆布あえ」です。

 豆もやしには利尿作用と、体の熱を冷ます効能があり、塩昆布にも同様の効能のほか、むくみ改善効果などがあります。いずれも、冷えがあるときは控えめに。また、ごま油や白ごまには体を潤す作用があるので、風味づけ程度に少しだけ使うようにした方が良い、とのこと。

 ほかにも「豆もやしのナムル」などが「湿」の排出におすすめです。

「気圧は無理でも、湿なら取り除けます」と久保さん。気圧の変化で頭痛が起きる人は、湿気の高い時期の食生活も見直してみましょう。

【豆もやしの塩昆布あえ】
(1)豆もやしを洗って5分ゆで、水で冷やします。
(2)ボウルに水気を切った豆もやし、塩昆布、鶏ガラスープ、ごま油を入れ、混ぜ合わせます。お好みでしょうゆを少したらします。
(3)味がなじんだら盛り付け、白ごまを散らします。

【豆もやしのナムル】
(1)豆もやしを洗って5分ゆで、水で冷やします。
(2)ボウルに水気を切った豆もやし、黒酢(又は酢)、しょうゆ、鶏ガラスープを入れ、混ぜ合わせます。
(3)ごま油と白ごまであえ、味がなじんだら盛り付けます。

絶対湿度計で湿度をコントロールしてみましょう

 温度や湿度によってストレスを感じているときに気圧変化が加わると、体調を崩す人は多いようです。頭痛ーるのユーザーアンケートの中には、気圧による体調変化を最小限にするため、温度や湿度に気をつけている、という人が何人かいました。

 温度と湿度を心地よい状態に保つことも、気圧の変化による体調悪化を予防するひとつの手段になります。

 スポーツ栄養士のくりきみゆきさんも「外気温と室内の温度がプラスマイナス5度ぐらいになるよう温度調整をしています」と話し、外気温を測定するのが面倒なときは、玄関のドアに温湿度計を貼っておくと良いとアドバイスしてくれました。

 また湿度については「60%ぐらいが最適」と言いますが、「気温が高いときの60%は蒸し暑く感じると思います」(くりきさん)。

 実は湿度には相対湿度と絶対湿度の2つがあり、一般的に湿度と呼ばれているものは「相対湿度」を指しています。空気は温度によって含有できる水蒸気の量が違います。同じ湿度でも気温の高い方が空気中に保てる水蒸気の絶対量が多くなり、不快度が増すのです。

 そのため、適度な湿度はどれくらいか、数値で確認するときには1m3の空気中にある水蒸気の質量(g/m3)を表す「絶対湿度」で見る方が分かりやすい、とくりきさんは言います。

 快適の目安は絶対湿度で10g/m3程度、と覚えておけば、季節を問わず湿度のコントロールがしやすくなるでしょう。冬場は乾燥しますが、加湿のしすぎはカビや結露の原因になるのでNGです。

 絶対湿度を相対湿度と気温から導き出す早見表のほか、絶対湿度を測定可能な湿度計も販売されていますので、気になる方は活用してみてください。

『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』より一部抜粋・再構成。

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〈取材・監修協力〉
久保奈穂実:漢方アドバイザー、国際中医薬膳管理師
芸能・音楽活動中、ハードな生活で身体のバランスを崩す。漢方薬に助けられた経験から、イスクラ中医薬研修塾にて中医学を学ぶ。成城漢方たまりにて漢方相談・薬膳講師を担う。

くりきみゆき:スポーツ栄養士、ストレングス&コンディショニングコーチ
プロアスリートのための体調管理を担う。スポーツに打ち込む家族を支えたい一般の方にも楽しく快適な毎日を築いてもらえたらと、講演活動やメタバース空間「ZEPETO」でのスポーツ知育遊び場運営も積極的に行っている。

デイリー新潮

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