大谷、ダルよりスライダーは上…変わり者のDeNA「バウアー」は日本で何勝できるか
横浜DeNAは3月14日、サイ・ヤング賞投手のトレバー・バウアー(32)と1年契約を結んだことを発表した。年俸は300万ドル(約4億円)。メジャー通算83勝の大物投手が日本でプレーすることになった特別な事情とは。
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サイ・ヤング賞投手が日本の球団に入団するのは1962年、投手を引退後、外野手として中日に入団したドン・ニューカム(1956年受賞)以来だという。
バウアーはダイヤモンドバックスで2012年にメジャーデビュー。翌年にインディアンズへ移籍、15年から5年連続二けた勝利を収めた。19年はレッズに移籍し、20年は新型コロナの影響で60試合しか行われなかったが、11回先発して5勝4敗、防御率1.73で最優秀防御率、100奪三振(リーグ2位)、WHIP(1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数値)0.79(リーグ1位)でサイ・ヤング賞を獲得。そして、21年にドジャースへ移籍した。
ドメスティックバイオレンス
「ところが、21年5月、知人女性への暴行の疑いが発覚し、メジャーリーグ機構にあるドメスティックバイオレンスの禁止規定違反となり324試合の出場停止処分を受けるのです」
と解説するのは、メジャー評論家の友成那智氏。
「出場停止処分は後に194試合に短縮されましたが、ネット上で、暴行に関する詳しい情報が拡散してしまったのです」
ドジャースは、今年1月にバウアーの契約を解除。メジャーでは新たに契約する球団が現れなかった。そこでDeNAが水面下で動いた。元々日本のプロ野球に興味を持っていた彼は2019年に来日し、西武―ソフトバンクのCSファイナルSを観戦した。この際、DeNAの二軍施設を訪問するなどしたという。
ドジャースとは3年で1億200万ドル(約136億円)の契約を交わしていた。まだ1年分の40億円以上が残っているが、DeNAが4億円、残りをドジャースが負担することになっている。
友成氏にバウアーの人物像について聞くと、
「一言でいうと、変わり者ですね。彼はカリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)を卒業していることからもわかる通り、頭脳明晰で独自の野球理論を持っています。そのため、コーチの指導を無視するんです。ダイヤモンドバックスが1年でバウアーをトレードに出したのも、コーチのアドバイスを聞かなかったためだとされています」
こんな事件もあった。
「インディアンズに在籍していた時の2019年7月、ロイヤルズ戦で4イニングで8失点を喫し、監督から交代を告げられるのですが、怒って監督にボールを渡さず、バックスクリーンに大遠投したのです。監督はその2日後にバウアーをトレードに出し、レッズへ移籍となりました」
監督やコーチと対立するだけでなく、チームメイトとも仲良くなれず、いつも孤立していたという。
「頭がいいので、人を見下してしまうんですね。本人曰く、野球理論は磨いてきたが、社交術は磨かなかったと。トラブルメーカーですよ」
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