オリックスは「近藤、吉田で3、4番を組むはずだった…」 夢の打線は幻に…今オフは山本由伸“流出”の難題
山本の今オフのポスティング移籍を想定
昨季、レギュラーシーズン最終戦でオリックスに逆転優勝を許したソフトバンクは補強になりふり構わない札束攻勢に出たという。当初の4年20億円からは大幅に増額し、7年総額50億円とされる契約で、ストーブリーグではオリックスを逆転した。
「近藤はWBCでも見せたように安打する技術、選球眼の良さでは吉田にも引けを取らない。(一部でその高額さに)バッシングが起きた契約も安かったとさえ思える。今となっては4番吉田の前の3番に近藤、5番には森を置いてクリーンアップを組めば、球界でも指折りのクリーンアップになっていた。年齢的にも脂が乗った3人で、黄金時代を築く土台にもなったはず」(同)
そんなオリックスのチーム編成では今オフ、最大の懸案が球界ナンバーワン投手、山本由伸のMLBへのポスティング移籍である。今年8月に25歳となり、MLBでは契約金の上限がなくなる。
WBCでは2試合に登板し、1勝0敗、防御率2.45。リリーフもこなす万能ぶりを示した。かねて本人にはMLB志向があり、既に米国での評価は定まっている。2014年に田中将大投手(楽天)がヤンキース入りした際の7年総額1億5500万ドル(約161億円)の日本投手最高額を超える観測も出ている。
「既に日本トップの投手で、昨年は日本一になった。日本でやり残したことはなく、メジャー行きは阻止できない。大きな故障がなければ、今オフに出て行くことを想定している」(同前)
昨季、26年ぶりの日本一になったオリックスを今季も優勝候補に挙げる評論家は少なくない。しかし、それも絶対的エースが盤石であってこそだ。
「山本は昨年の日本シリーズで故障が癖になりやすい脇腹を痛めた。開幕前にWBCに出たことで肉体的な負担も蓄積されたはず。渡米の前年なら、少しでも体に異常が起きた時は登板を見合わせ、安全運転となるケースも十分に考えられる」(遊軍記者)
侍ジャパンを彷彿させる夢の打線が実現しなかった上、エースがフル回転できなければ2連覇はいばらの道となる。