ドラ1候補に暗雲か…大阪桐蔭エース「前田悠伍」、スカウト陣は「ストレートに力を感じず、肩透かしを食らった」と不満げ

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「後半はいいボールも多かった」

 調子が悪くても、きちんと試合を作る……。さすが“世代ナンバーワン”と呼ばれる投手だ。前田本人は、試合後のインタビューで「投球練習からある程度、良いボールは投げられていた」と話していたが、西谷浩一監督は、前田のピッチングをどう評価したのか。

「なかなか(前田の)調子が上がらないので、7回の前に『へばってるのか?』と言おうと思いました。前田の顔を見たら、目が合って『そんなことないです』みたいな感じで笑っていたので、何も言わずに(次の回へ)送り出しました。そこから力が入って、後半はいいボールも多かったと思います」

 6回までは毎回ランナーを許していたが、7回は初となる三者凡退、2奪三振と見事な投球を見せた。9回もわずか9球で3人の打者で打ちとり、試合を締めた。指揮官の意図をくみ取り、完璧に仕事をして見せるあたりは、さすがという他ない。

“ドラ1位候補”の本来の圧倒的なピッチングが戻ってくるのか……。次戦での前田に注目だ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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