チャールズ国王の戴冠式、秋篠宮ご夫妻ご出席に抗議殺到 スキャンダルは英国でも大々的に報道
火消しに努めた宮内庁
そうした声を意識してか、先の次長会見では「英国側から元首かその代理の出席を願う通知が来た」ことを踏まえた上で、宮内庁として秋篠宮ご夫妻に戴冠式へ参列していただくに至った理由は以下の二つだとしている。
(1)外国王室の戴冠式には従来から皇太子クラスが参列し、天皇陛下が出席した例はないこと
(2)天皇皇后両陛下は生前のエリザベス女王から国賓での招待を受けていたが、コロナ禍で延期となっており、そちらを早期に実現する方向であること
さらに池田次長は決定にあたって“天皇皇后両陛下に相談した”と付言することも忘れなかった。寄せられた抗議を意識してか、「天皇ご一家渡英待望論」の火消しに努めたのであった。
「天皇陛下が参列されても全く問題はない」
「戴冠式の招待状は名指しで届くわけではなく、国家元首またはその代理としてふさわしい者と書かれているくらいなので、各国が独自に参列者を決めています」
と解説するのは、イギリス史が専門で、世界の王室事情にも詳しい関東学院大学教授の君塚直隆氏だ。
「戴冠式には国王や女王クラスは参列せず、名代を派遣するという慣例は古くからあります。君主の格は在位年数によって決まりますから、戴冠式の主役となる新国王より来賓の方が格上の待遇を受けることになるので具合が悪い。そこで各国が国王の名代として王子や王女などを立てるようになりました。前回のエリザベス2世の戴冠式では、昭和天皇の名代として今の上皇さまが皇太子の立場で参列されています」
ここ数年の例でみても、皇太子クラスが参列する例が多いのは事実だとして、君塚氏はこう続ける。
「2013年のオランダのウィレム=アレクサンダー王の即位式には、日本からは当時皇太子だった天皇陛下と雅子さま、イギリスからもチャールズ新国王が皇太子として参列された。モナコを除き他の諸国からも国王の参列がなかったことに鑑みれば、秋篠宮さまが参列なさるのは自然なことかもしれません。ところが、今回はチャールズ新国王ご自身が、そうした慣例を打ち破ろうとなさっている。むしろ天皇陛下が参列されても全く問題はありません」
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