WBC 日本代表優勝で感じた師弟コンビの強運【柴田勲のセブンアイズ】
決勝9回に凝縮された大谷の役割
栗山英樹監督が率いる「侍ジャパン」がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でアメリカ代表を3対2で破って、2009年以来3大会ぶりの世界一に輝いた。
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「侍ジャパン」には心からおめでとうと祝福の言葉を贈りたい。日本中のファンが見守る中で相当のプレッシャーがあったはずだが期待に応えて栄光をつかんだ。
振り返ってみると、今大会を通して栗山監督と「二刀流」大谷翔平、師弟コンビの強運を感じた。
22日の決勝戦で大谷が1点リードの9回にマウンドに上がった。
先頭打者には四球を与えたが、次打者のムーキー・ベッツを157キロのストレートで二ゴロ併殺打、ここで登場したのが大谷のエンゼルスの同僚で米国チームの主将、マイク・トラウトだ。こんな巡り合わせ、そうはない。
大谷は3-2からスライダーで空振り三振に切って取ってゲームセット、彼の今大会で果たした役割が凝縮していた。
お荷物的存在だったが…
今大会では見せ場やいい場面で大谷に出番が回ってきた。これに応えてきた。栗山監督にとっても心強かったろう。もちろん、ワンチームでつかんだ世界一だが、師弟コンビがけん引したといえるのではないか。
21日の準決勝・メキシコ戦でのサヨナラ勝利で決勝戦への弾みがついた。終盤の8回に2点差を追って1点差とすると、9回に不振を極めていた村上宗隆が中堅フェンスを直撃するサヨナラ2点二塁打を放った。
大谷の二塁打から作った無死一、二塁、シビアな監督なら送りバントもあった。代打を送られていた可能性もあった。だが栗山監督は3三振の村上にすべてを任せ、その決断がサヨナラ打を呼び込んだ。
村上は悪く言えばチームのお荷物的な存在だった。だが最後にきての殊勲打だ。こんなシナリオは書こうと思っても、そうそう書けるものではない。
このような勝利はチームに勢いをつけるし全体で乗っていける。私、アメリカとの決勝戦はこれで勝てるのではと思った。
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