JGTO青木功会長に大富豪副会長がしかけた“クーデター”が第2ラウンドへ 「理事会での約束をほごに」

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 米国でマスターズ・トーナメントを創設した名手、ボビー・ジョーンズは腕前だけではなく、自制心に富む競技態度も称賛された。片や、現在日本の男子ゴルフ界では中堅・若手が我を失い、“生きる伝説”に牙をむく事態となっていて――。

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 まず、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の内紛を振り返ると以下の通りだ。

 昨年1月、谷原秀人氏(44)が選手会長に就任するや、「男子ツアーの不人気は現体制に原因がある」と、青木功会長(80)以下、現執行部を問題視。その後、谷原氏は自身のタニマチで資産4千億円超ともいわれるABCマート創業者の三木正浩氏(67)を副会長に押し込むも、

「三木氏が事務局のスタッフらに対して“言うことを聞かないとクビだ”と恫喝するようになったのです」(ベテランゴルフ記者)

騒動は第2ラウンドに突入

 問題を重く見た青木氏が昨年末、谷原氏と話し合い、

「谷原氏らが敵視する上田昌孝専務理事が三木氏と同時に辞職するとの案で、一度は合意しました」

 ところがその後、谷原氏が前言を撤回。やむなく2月22日にJGTO理事会は三木氏の解任議案を出す運びとなったが、「三木氏が辞表を提出した」(同)ので回避された。

 この騒動が今、第2ラウンドに突入しているという。

「青木氏と谷原氏は最終的に、三木氏が二度と理事に復活しないとの内容で合意書を交わす予定でした。実際、谷原氏は理事会でも合意書にサインするという意思表示をしていたのです」

約束をほごに

 しかし、谷原氏がまたも態度を翻す。

「谷原氏が22日夜になって、JGTOの執行部のメンバーに連絡し、“選手会で反対意見が出た”と騒ぎ出したのです。そして“今後は代理人弁護士を通して交渉するように”と一方的に述べ、理事会での約束をほごにしました」

 翌日、執行部が谷原氏に合意書を送付してもなしのつぶて。「合意書にサインがなされていない以上、三木氏復活の芽は残されている」(同)のだ。そこで青木氏は次の一手に出る。

「先月27日、青木氏が選手会の理事に宛てて書面を配付しました。谷原氏らが理事会で合意書を締結すると約束した旨を確認し、合意締結に向けて、彼らに協力を要請する内容です」

 だが、谷原氏らの反応は青木氏の期待を裏切るもので、

「翌日、谷原氏らは選手会の会員に連絡を取り、3月下旬の社員総会で定款変更議案が諮られ、執行部が選手から総会での議決権を奪うかのように喧伝しました。ですが、その議案は理事会で、すでに取り下げられています」

 つまり、偽計を用いて選手会の危機感をあおっているというのだ。その狙いは、

「青木体制に反旗を翻すように、選手会を扇動しているのでしょう」

なおも体制批判

 さらに今月2日にも、谷原氏らは会員に対して、文書を送信。

〈合意書案の内容が協議してきたことと一致していないからサインできない〉

 などと、自らの正当性を訴えたのである。あらためて谷原氏に質すと、

「理事会ではサインしないと伝えています」

 そう開き直る。また、三木氏も「(理事に)戻ることはない」としながら、

「今の理事会のメンバーは青木さんの友達ばかり。ガバナンスなんてあったものじゃない」

 なおも体制批判が止まらず、未練を見せるのだ。

 一方、青木氏は、

「選手会とは今後もよく話し合い、協力して男子ツアーを盛り上げていきたい」

 と語る。人気低迷の男子プロの再興を目指すレジェンド。その切なる想いは通じるか。

週刊新潮 2023年3月23日号掲載

ワイド特集「サクラサク?」より

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