ドラマ「高校教師」の野島伸司が「新日本プロレス」元親会社の社外取締役に 見えてきた“ブーム”の曲がり角と「落とし穴」

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懸念される社外取締役の形骸化

 ユークスに社外取締役候補として野島伸司氏を選任した理由を訊ねると、

「(野島氏は)脚本家、シナリオライターとして活躍され、当社に関連するエンターテイメント業界に深く関わってきました。そうした経験をもとに中立的な立場から、取締役の業務執行の監督、経営方針や経営計画等に対する意見具申、および取締役や主要株主等との利益相反取引の監督などの役割・責務を果たしていただくことを期待し、社外取締役候補者といたしました」

 と回答した。

 かなりの“重責”とも映るが、経済アナリストの森永卓郎氏はこう話す。

「社外取締役については、すでにブームが行き過ぎて“有名人なら誰でも”といった傾向が見え始めています。しかし専門知識を持った弁護士や公認会計士ならいざ知らず、事業とは直接関係ない芸能人を据えて、本当に実効性ある助言を得られるケースは多くないと聞きます。現在のブームは社外取締役の形骸化にも繋がりかねず、企業側は自分で自分の首を絞める結果となりかねないことを自覚すべき時期に来ているのではないか。また迎えられる側の著名人も、仮に就任先の企業が経営不振に陥るなどした際には“責任の一端”を問われるリスクがあることを承知すべきです」

 野島氏の新たな「挑戦」に注目が集まる。

デイリー新潮編集部

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