【舞いあがれ!】ようやく判明したオープニング映像に隠されていた「秘密」とは
東大阪に来たばんばの気落ちが「下の句」
五島編の第6話。気も体も弱かった舞は「何やっても出来へんねん……」と気落ちしていた。これに対しばんばは「出来んことは次に出来るようにしたらよか。それにな、出来んなら、出来ることば探せばよかとよ」と力強く答えていた。
それから24年が過ぎた第115話。ばんばは脳梗塞で倒れ、左手足に後遺症が残ったため、体の自由が利かない。今度はばんばが気落ちしている。
「情けなかねぇ。みんなの世話になっちょる。自分のことが自分で出来んとば、こげん苦しかったとはねぇ」(ばんば)
舞が「ばんばにしか出来ないことがいっぱいあんねん」と言ってもばんばの顔は生気を失ったままだった。ばんばは大阪・東大阪市の岩倉家に移り住んだものの、目はうつろ。舞はもう何も言わず、行動に出る。第116話だ。
IWAKURAのOB・笠やんこと笠巻久之(古舘寛治・54)との昼食にばんばを同席させ、その場で笠やんに技術教室の講師を依頼。快諾を得る。笠やんも退職後、活力を失っていた。
「やることがないっちゅうのはしんどくてな」(笠やん)
舞はばんばと笠やんを重ね合わせ、2人に対し、誰にでも出来ることはあると言外に訴えたのである。直後、笠やんがりんごを沢山持って舞のもとへやって来た。
「祥子さんに。(娘の)佐知子が仰山持ってきよったんやけど、食べきらへんよって。良かったらジャムでも使ってもろて」(笠やん)
シャイな笠やんのウソではないか。佐知子が大量のりんごを持って1人暮らしの笠やんのところへ、そう都合良く来るとは思えない。笠やんは昼食の場で自分が「やることがないっちゅうのはしんどい」と漏らした時、ばんばの顔色が変わったのを見ていた。
りんごの差し入れまでは予想していなかったはずの舞だが、笠やんを見て、ばんばが刺激を受けることは期待していただろう。ばんばは嬉々としてジャムをつくった。
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