【舞いあがれ!】ようやく判明したオープニング映像に隠されていた「秘密」とは
五島編は短歌の「上の句」だった
NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」が大詰めを迎えた。脚本を担当した桑原亮子氏は31音に思いを凝縮する短歌の名手。脚本もまた計算し尽くされていた。
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桑原亮子氏の脚本が綿密に計算されたものであることが、あらためて裏付けられている。
長崎県五島列島編(五島編)の第10話。ヒロインの岩倉舞(福原遥・24、幼少期は浅田芭路・9)は線の細い小3の女児だった1994年、母方の祖母でばんばこと才津祥子(高畑淳子・68)から、こう教えられた。
「ばらもん凧のごたぁに、どがん向かい風にも負けんと、たくましく生きんとよ」(ばんば)
ばらもん凧は向かい風が強いほど高く舞いあがる。五島で過ごしてからの舞も逆風に吹かれるたび、たくましくなった。舞がばんばから渡され、その後も大切にしてきたばらもん凧が、この物語全体を読み解くキーアイテムだった。
舞はどんな逆風にも屈しなかった。家業のIWAKURAを襲ったリーマンショック(2008年)、就職が内定していた航空会社の入社延期(2009年)、大好きなお父ちゃん・浩太(高橋克典・58)の急死(同)、内定辞退と航空学校同期で恋人の柏木弘明(目黒蓮・26)との別離(同)、お兄ちゃん・悠人(横山裕・41)の金融商品取引法違反による逮捕(2013年)――。
1~10話までの五島編が持っていた意味はこれにとどまらない。同編は伏線だった。いや、桑原氏は歌人なので、「上の句(5・7・5)」と言ったほうがいいのかも知れない。その後は現在に至るまで「下の句(7・7)」である。
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