【WBC】「大谷は人種差別も超えた」日米での活躍知る“ゴーンヌおじさん”が語るその凄み、そして変化

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「アメフトだったらQB」の意味

 近藤さんは幼少期をアメリカで過ごし、アメリカンフットボールでは日本代表にも選ばれた元アスリートでもある。アメリカでの体験を経ているからこそ、大谷のすごさをより痛感しているという。

「メジャーリーグでの活躍は衝撃ですよね。圧倒的にパワーで勝っている。僕のやっていたアメフトの世界ではちょっと考えられないし、日本人でもこれだけできるのだと誇りに思います。アメフトの経験から体を大きくする筋トレの知識はよく知っていますが、大谷選手の場合は193センチの体があって、さらに指先まで器用に神経が通っているのがすごい。これまで日本人アスリートは体は大きくても、のっそりというタイプばかりだった。でも大谷はバスケットボールでいえばポイントガードのように動けるし、新しいアスリートの出現だと思います」

 実際、大谷は他ジャンルのアスリートからも尊敬を集めている。NFLアリゾナ・カージナルスに所属するスーパースター、JJ・ワットが大谷を賞賛したコメントに、近藤さんは衝撃を受けたと言う。

「ワットがあるメディアの取材で、二刀流で活躍している大谷選手を見て『アメフトだったらクオ ーターバックだな』と言っていたんです。日本人を、アジア人をクオーターバックに据えようという発想自体がこれまで絶対なかったことだから驚きました。アメフトはリーダーを育成するためのスポーツで、花形のポジションであるクオーターバックは基本的に白人。そんな中でたと え話であっても、超一流のワットがアジア人をクオーターバックにと発言したことは衝撃でした。文化が変わった瞬間だと思います」

 アメリカでは日本で考えられないほどの人種差別があり、それはスポーツの世界でも変わらない。そんな中、二刀流で活躍する大谷の存在が変化を生んでいると近藤さんは語る。

「だって、メジャーリーグのルールを変えちゃう存在なんですよ。アメリカがアジア人のためにルールを変えたんです。アメリカは人種差別がないと考えている方も日本にはいるかもしれませんが、実際はすごくある。日本人なら一度は差別を経験している。その中で、大谷選手はすごいものはすごいと完璧に認めさせた。スポーツでも差別はあるけれど、フィールドでのパフォーマンスがすごければ誰もが認めざるを得ない。大谷はまさにそれをやってるんです」

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