女性秘書官を地方にまで連れ回す斎藤法務大臣 「メンタルにきているのか、暗い顔をしている」
“緊急の連絡要員”
「自分もかつて大臣秘書官を務めましたが、ホントに過酷な環境でしたね」
と言うのは、政治評論家の池田和隆氏。
池田氏は故・松岡利勝代議士の秘書を務め、松岡氏の農林水産大臣就任時には、政務秘書官を務めた。
「事務秘書官は私以上に365日24時間、馬車馬のごとく働いてくれていました。昔はそれが当たり前でしたが、近年は霞が関自体が仕事のハードさのために離職が相次いでいる。大臣秘書官はその中でも激務ですから、出世コースにもかかわらず、ここ数年“できればやりたくない”と言う人も出てきているほど」
だからこそ、
「やはり使用者である大臣がブラック労働化しないよう、十分に目を配るべきですよね」
当の斎藤大臣は何と言うか。
携帯に電話すると、土日に中村秘書官を帯同させることがあるのを認めた上で、
「いや、あれは公務ですよ」
と答える。
「出先といえども、何かアクシデントが起きることがあるじゃないですか。本省で何か起こったとか、大きな事故が起きたとか。そのための緊急の連絡要員として同行させているんです。これはよくある話ですよ」
として自らの経験を語る。
「私も通産大臣秘書官を務めたことがありますが、それこそ選挙中まで大臣に同行していました。その場で陳情があるかもしれませんし、あるいは、原発事故が起きる可能性もある」
そして、
「あとは法務省を通して」
と電話を切ってしまった。
法務省も「際限なく働かされることになってしまう」
その法務省も、
「法務行政に関する連絡対応等のため、大臣に帯同していたものです。(中村秘書官については)適切に対応しています。体調等についてはプライバシーの観点から、お答えを差し控えます」
と回答するけれど、
「確かに緊急対応は必要でしょう。でもそれを言い出したら、それこそ秘書官は際限なく働かされることになってしまいますよね」
と感想を漏らすのは、日本労働弁護団幹事長の佐々木亮弁護士である。
「だからこそ上司が労働環境に気を回してあげないと。まして政府は『働き方改革』を進めている身。その大臣は自らそれを実践しないとなりません」
将来は総理を目指しているという斎藤大臣。
であれば尚更、これを機に自らの足元を見直してみてはいかがだろうか。身近な声なき声をくみ取れずして、国民の声を聞くことなどできるはずもないのだから。