“社員ゼロ”で100店舗達成 お肉専門無人販売所「おウチdeお肉」が「万引きも許容範囲」と話す納得の理由

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 日本で初めて「24時間年中無休」の“お肉専門”無人販売所を展開する「おウチdeお肉」。創業からわずか半年足らずで全国100店舗を数えるまでの急成長を遂げ、さらに160店まで拡大する見通しが立っているという。その快進撃の裏には、無人販売所にとって最大のリスクを逆手に取る“常識外の発想”があった。

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 おウチdeお肉はスタッフを店内に配置しない代わりに、客が商品を選んでセルフで会計するシステムとなっている。店内に設置されたショーケース状の冷凍庫には、瞬間冷凍技術により鮮度を保持した産地直送の馬肉や牛ユッケ、国産牛肉のほか、ハンバーグや餃子、韓国料理からアイスクリームまで幅広い商品が並ぶ。

 実は「株式会社おウチdeお肉」の設立は昨年9月と、事業開始からまだ半年しか経っておらず、さらに“社員”は1人もいないという。事業運営者として代表取締役の林眞右氏のほか、本部スーパーバイザー(SV)の業務を請け負う亀井竜斗氏の2人がいるのみだ。その亀井氏が話す。

「成功の要因を挙げるとすれば、まずは“時代の流れ”にうまく乗れたことが大きかったと思います。私自身、長く営業マンをやっていて夜遅くに食事を摂ることも多かったのですが、コロナ禍以降、夜8時を過ぎると店が閉まり、コンビニに頼る以外にない日が増えた。でも、さすがに毎回コンビニ食ばかりだと飽きがくるので、他の選択肢があればいいなと常々考えていました。同じような思いを抱いていた人は周囲にもいて、また“宅飲み”といった言葉に象徴されるように、自宅で簡単な料理をつくる習慣がこの3年間で広がったこともプラスに働きました」

 さらにコンビニやスーパーなどで進むセルフレジの普及の流れも追い風になったという。

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