侍ジャパン、タイブレーク対策は意味がない? 「不確定要素が多すぎる」

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 昨年のサッカーW杯カタール大会に出場した日本代表は、準々決勝でクロアチアにPK戦で敗れた。

 サッカーにおけるPK戦と同様に、野球において同点から決着をつけるツールがタイブレークである。

 特に決まった規則があるわけではなく、たとえば東京五輪では延長10回から無死一、二塁で開始したのに対し、メジャーや今般のWBCにおいては無死二塁からゲームが再開する。

 侍ジャパンは過去に3度、主要大会でタイブレークを経験した。08年北京五輪1次リーグ米国戦は敗戦。17年アジアプロ野球チャンピオンシップ韓国戦では3点奪われた後に4点返してサヨナラ勝ちした。3度目が米国にサヨナラ勝ちした東京五輪である。

 さて、WBCを目前にした栗山ジャパンはタイブレークの練習に余念がない。

 2月25日に宮崎で開催されたソフトバンクとの壮行試合後に行われた練習では、登板した高橋宏斗が最少1失点で踏みとどまると、裏の攻撃で中野拓夢が適時打を放ち同点とした。

「対策しても意味がない」

 3月3日の中日戦後には、表の回に湯浅京己が零封し、裏の攻撃で村上宗隆が放った内野ゴロの間に走者が生還し勝利した。昨年11月にも巨人相手に練習していて、表に4得点した後、裏に伊藤大海が2失点しつつも辛勝している。

 2勝1分だから上々と言いたいところだが、

「タイブレークの練習なんて、いくらやっても意味ないですよ」

 とスポーツ紙デスクは手厳しい。

「サッカーのPKは、ゴールキーパーや蹴る選手を事前に決めて練習させればいいですが、野球のタイブレークは、前の回に誰の打順で終わったかによって走者や打者が決まる。必ずしも中野や村上に打順が回るとは限らないのです」

 守備についても、

「先攻なら、表に味方が何点取ったかによって、裏の守備で、2点は許せたり、1点も許せなかったり、と守り方が変わってくる。他にも相手打線が上位か下位かなど、不確定要素が多すぎて、練習でやった場面の再現なんて起きっこない」

 というわけで、

「タイブレークで負けた時に『練習はやってたんですけど……』と言い訳するためのアリバイ作りにしか思えませんね」

週刊新潮 2023年3月16日号掲載

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