「村上まで打ったら20点入っちゃうじゃないか」 辛口・権藤前投手コーチも絶賛の「侍ジャパン」中間報告

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メジャーでもトップテン

 メジャー組とは対照的に、予選では活躍できなかったのが若き三冠王、村上宗隆だ。

 村上は3年後、ポスティング制度でのメジャー移籍が既定路線である。

 しかし、今回の不調で評価が落ちてはいないだろうか。

「技術的には申し分ないので、評価が低下することはありませんが……」

 と言うのは、さるメジャースカウトである。

「ただ、やや太り過ぎかな。あのままでは膝や下半身の故障につながりかねません」

 メジャーといえば、1次ラウンドでは、佐々木朗希、山本由伸といったNPBの一線級投手が登板し、いずれも好投した。

「佐々木は評判通りの投球でしたね」

 とスカウト氏が続ける。

「ストレートの平均球速が160キロを超えていた。今メジャーに行ってもトップテンには入れる投手ですよ。あとはシーズンを通して活躍できるスタミナをつけるだけ。山本も今の力があれば十分に通用します。課題はけがをしないことですね」

 また、

「2試合に中継ぎで登板した、高橋宏斗は掘り出し物です。長身ながら制球力が高く、球速もめっぽうある。今後に期待ですね」

 高橋は中日ドラゴンズのプロ3年目の20歳で、今大会の日本代表で最年少。意外な名前が挙がるのである。

各球団からの注文が

 そんな強力メンバーを束ねる栗山監督。不振の4番を除けば順調で、不安は少ないかに見えるが、

「いや、本人はプレッシャーで大会前から周囲に“眠れない日もある……”とこぼしていたそうです」

 とは、さるNPB関係者の証言だ。

「これだけのメンバーをそろえているので、優勝しなければ、とプレッシャーがかかっているのでしょう。世間の盛り上がりもすごいですしね。近くにいる人に聞いても、“緊張感がすごいので話しかけるにも気を使う”と言っていたほど」

 さらには、

「選手を出している各球団からの注文が多く、それにも苦労しているとか。特にメジャーリーガーは“〇イニング、〇打席は立たせなければいけない”などいろいろな指定をされているようで、采配は複雑なパズルを解くかのようになり、頭を悩ませているそうです」

 きっとベンチ裏での苦悩は絶えないのだろう。

週刊新潮 2023年3月23日号掲載

特集「WBC『大谷ジャパン』のベンチ裏」より

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