「村上まで打ったら20点入っちゃうじゃないか」 辛口・権藤前投手コーチも絶賛の「侍ジャパン」中間報告
“めちゃくちゃうまいじゃないか”
そんな大谷と並び、ここまでのMVPとの声が大きいのが、ラーズ・ヌートバー(25)である。セントルイス・カージナルス所属の彼は、WBCまで日本では無名の存在。しかし、メンバーに抜てきされるや、トップバッターとして1次ラウンドの全試合に出場し、4割2分9厘の高打率と、ファインプレーで球場を沸かせている。
「当初、彼には不安視する声も上がっていましたね」
と述べるのは、前出のベテラン記者である。
「米国人の父と日本人の母を持つ日系2世ですが、アメリカ生まれで日本語は全くダメ。彼はセンターを守りますから、レフト・ライトとの連携が重要です。コーチ陣や同じ外野手からは“大丈夫か”との声もありましたが、実際に起用されると“めちゃくちゃうまいじゃないか”と評価は一変しました」
連携の不安どころか、出塁すると見せる「ペッパーミル・パフォーマンス」は全メンバーに浸透した。日本語も、今は試合前の「君が代」を口ずさむほどの上達ぶりを示しているのだ。
「典型的なママっ子」
米紙によれば、このWBC出場に当たり、母・久美子さんが毎日、「君が代」を歌い、彼がそれについて歌う――というトレーニングをしていたそうだ。
ちなみにヌートバーはこの母が大好きで、以前、本誌(「週刊新潮」)が日本在住の叔母に取材した際も、
「典型的なママっ子。“大好きなママの生まれた国の代表になれたから頑張る”と言っていますよ」
と語っていた。
彼には実は、長年の“彼女”がいる。高校の同級生で交際期間は10年に及び、現在は大学院に通学中。結婚も間近というが、叔母は、
「それでもラーズは“ママが一番”と言う。彼女はそれをわかった上で付き合っているそうです」
今回の活躍を機に、将来の日本球界入りもささやかれるヌートバー。プライベートも充実中のようだ。
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