プーチンの誤算、NATOのコミット不足、米国の抑止戦略の失敗――国際政治学者が総括するウクライナ侵攻の1年
2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの全面侵攻。当時は「そのようなことは起きないはず」との見方も根強かったが、侵攻はなされてしまった。
侵攻から1年を迎えた今、プーチン・ロシア大統領はなぜ侵攻に踏み切ったのか、侵攻を防ぐことはできなかったのか――現代欧州政治と国際安全保障が専門で、NATO(北大西洋条約機構)の視座から開戦の経緯をつぶさに見てきた慶應義塾大学准教授の鶴岡路人氏は、抑止を中心とする戦略論の立場から考察を加えている。...