捨てられた1千万円、10人以上名乗り出て道警は困惑 「法的な対応策を検討する」という声も
トラック運転手の大貫久男さんが銀座の路上で現金1億円を拾ったのは、1980年4月のこと。この時は最後まで落とし主が現れず1億円は大貫さんの物となったが、四半世紀近い年月で日本人も変わってしまったのだろうか。
札幌市北区のごみ回収施設で1千万円の現金が見つかったのは今年1月30日。現金は同市西区と手稲区で回収された「雑がみ」の中にごみ回収業者が見つけ、札幌方面北警察署に届けられた。
遺失物を担当する北海道警会計課に聞くと、
「現金は北区内にある資源ごみ回収施設で見つかったのですが、仕分けした後で発見されたため、入っていたのが鞄なのか袋なのかは分かりません。1千万円が届けられたことが報じられて以降、複数の方から問い合わせが来たり遺失届が出されたりしています。ですので、本人確認のためにも見つかった時の状態や、新札だったのか旧札だったのかなどについては対外的に説明できないのです」(担当者)
法的な対応策を検討するという声も
道警によると、今月6日現在、13人が、自分自身や身内が落とした金ではないかと名乗り出ている。少なくとも12人はインチキというわけだ。うち、遺失届を出したのは9人。いわく、
〈認知症の親が捨てた金ではないか〉
〈クローゼットにしまっておいた現金がない〉
〈旅行中になくした〉
中には、
〈知り合いから“なくしてないか?”と言われて〉
というのもあった。名乗り出た人の住所も北海道のみならず、京都や愛知もあったという。このまま4月30日までに落とし主が特定されなければお金は札幌市の所有になるが、あまりの“落とし主”の多さに、「明らかなうそのケースは法的な対応策も検討しなければ、という声も道警の幹部から出ています」(北海道警の担当記者)
一方で、お金が捨てられることは珍しくないと話すのは、お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動する傍ら清掃員としても働く滝沢秀一氏だ。
「大抵の場合、お札はヘソクリとして本や雑誌の間に挟んでおいたのを忘れ、それを段ボール等と一緒にゴミに出してしまう。しかし、小銭などの場合、処理が面倒だからとわざと捨てる人も少なくありません。クリーンセンターには分別用に小銭の箱が用意されているほどです」