WBCで注目「台湾チアガール」の熱狂 現地ファンは「我が国の野球は彼女たちあってこそ」

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台湾野球の立役者

 台湾での野球は日本統治時代に根づいた。1989年にはプロ野球リーグが成立した。そのなかから日本に渡った選手も少なくない。しかし台湾では、八百長問題や賭博事件で人気は低迷し、一試合の平均入場者数は2000人そこそこまで減少していた。リーグ戦の中断が囁かれた2010年代前半に、その流れから救ったのがチアガールだったといわれる。

 現在は5チーム(2024年から6チームになる)がそれぞれ10人以上のチアガールを在籍させ、彼女たちのダンスがお目当てのファンも多い。そんなチアガール効果もあって、ここ10年間の平均入場者数は5000人まで回復している。

 だからWBCの予選が自国で開催されることになった台湾が、これに目をつけない手はなかった。台湾プロ野球5球団のチアガールから21人を選抜し「クラシックガールズ(経典女孩)」と名づけた。

 さて試合だが、台湾は7対1でキューバに敗退し予選を突破できなかった。もし勝っていたら、東京ドームでの準々決勝に進出する可能性があった。日本のファンからは、「生チアガールがこれで見られなくなった」という嘆きがネットに溢れている。

 へそ出しの派手な衣装で踊るチアガールへの苦言が台湾国内にないわけではないが、前出の呉さんは状況をこう見ている。

「10年以上プロ野球を応援してます。ここ数年、台湾のプロ野球連盟(中華職業棒球大聯盟)の取り組みからは、ファンを呼びこもうという努力を感じます。チアガールは台湾野球ではマストになっていると思う。台湾の野球は規模などでアメリカや日本に敵わない。だから、それをチアガールでカバーして集客する。それが台湾野球なんです」

広橋賢蔵(ひろはし・けんぞう)
台湾在住ライター。1965年生、1988年北京留学後、1989年に台湾に渡り「なーるほどザ台湾」「台北ナビ」編集担当を経て、現在は台湾観光案内ブログ『歩く台北』主宰。近著に『台湾の秘湯迷走旅』(双葉文庫)などがある。

デイリー新潮編集部

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