WBCで注目「台湾チアガール」の熱狂 現地ファンは「我が国の野球は彼女たちあってこそ」
日本からのカメラマンも、お目当ては
チアガールのかぶりつき席から日本語が聞こえた。訊くと日本からやってきたという、男性の2人組。数ヵ月前にこの試合のチケットを購入したという。
「生のリン・シャンちゃんを見にきました」
と興奮状態。
大きな一眼レフカメラを抱え列に並んでいた30代の台湾人男性・呉さんにも声をかけてみた。チアガールや球場を撮った動画をYouTubeに定期的にアップするのが趣味だという。
1年半前から配信を開始し、3月12日時点で、呉さんのチャンネルは登録者数1.3万人。すでに600本以上の動画がアップされていた。
「昨晩配信した動画は4000視聴数を超えていました。私は平日、仕事があるので、YouTubeで収入を得ようとは考えていません。あくまで趣味の範囲です。しかし本格的に活動するユーチューバーもいて、桁が違う。同じ昨晩の動画でも30万回の視聴数を超える人もいる。彼らはいつも私より前の席の撮影しやすい場所を確保しています。角度がいいから、くっきり映せていて、視聴数も多いんです」
カメラマンたちは席とりにもずいぶん腐心していた。チアガールの立つ場所にフォーカスできる場所を確保しようとする。筆者が前に出てチアダンスを撮影しようとしたら、「そこにいるとジャマになるだろう」という殺気だった言葉が響いた。
秋葉系――そんな言葉が頭をよぎる。チアガールが立つスペースの前に集まっているのは、求める構図に命をかける「チアガール・オタク」たちだ。
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