「教団の資産をカルト被害者に寄付したい」 大川隆法の長男が語る相続問題

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「棺(ひつぎ)を蓋(おお)いて事定まる」とはいうけれど、“幸福”を人々に説き続けた新興宗教の教祖は、世間からどう評されるのか。突然の訃報を受けて先妻が明かす「家庭崩壊」の実情と、教団から追放された長男が語る「資産の行方」を聞くと、自ずと答えは明らかになるだろう。

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 新興宗教への風当たりが強い昨今、なにかと世間を騒がせてきた教団教祖の突然の訃報だった。

 宗教法人「幸福の科学」の創始者・大川隆法総裁が3月2日に66歳で死去したと、新聞テレビで一斉に報じられたのだ。

 全国紙の社会部記者によれば、

「2月28日、大川総裁は東京・港区にある自宅で倒れているところを発見され、病院に救急搬送されましたが、治療のかいなく3月2日に亡くなりました。死因は脳梗塞または心不全だ、すでに火葬されたといった情報が飛び交いましたが、教団は大川総裁の生死について一貫して不気味な沈黙を守っています」

 実は今、各地の教団施設ではとある“儀式”がひそかに行われているという。

「よみがえると信じている」

「今日は5万円のお布施をして『復活の祈り』に参加してきました。たしかに5万円は高い方ですけど、主(しゅ・大川総裁)が戻られるための祈願ですから、頑張ってやりたいなと……」

 そう話すのは、大川総裁の自宅からやや離れた場所に建つ教団施設「東京正心館」に足を運んだ女性信者である。

「世の中の皆さんは、病院で“亡くなった”と告げられたらその通りに認識すると思いますが、そうではないということを主はお見せくださると思う。この1~2週間でよみがえると私は信じています。我々は“永遠の命”というものを教わっておりますので、魂が体から抜けても霊子線(れいしせん)が切れない限り死ではない。このようなことはソクラテスら歴史上の偉人も言っていますし、イエス・キリストも復活を遂げていますから」

 信仰歴は30年余りに及ぶという彼女は、こう続ける。

「もし2週間経ってもよみがえれない場合、肉体の維持が難しくなってしまう。そうなると、次の代を継ぐのは奥様だと思います」

 掲載の家系図に示す通り、大川総裁は先妻・きょう子氏(57)との間に5人の子供をもうけたが、2012年に離婚が成立。長年連れ添った妻を“悪魔”とののしり追放して、20歳以上も年の離れた教団幹部の紫央(しお)氏と再婚した。後妻は早稲田大学を卒業後、日本銀行から教団に奉職して、先妻が追われた「総裁補佐」の座におさまったわけだ。

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