「中学受験のプレッシャーで不登校に…」 中学校襲撃の17歳「猫殺し」少年、叔母が明かす事件の背景

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「中学受験のプレッシャーで…」

「切りつけられた方のご容体は大丈夫なのでしょうか。なんでこんなことになったんだろう。そんなに悪い子じゃないんですけど」

 涙ながらにそう語るのは、少年の叔母である。

「ただ、小学6年生の時に中学受験のプレッシャーで学校に行くのが嫌になってしまったみたいで。その頃から不登校に……。自宅のトイレに『武蔵中学合格』と書かれた紙が貼られていたのを覚えています」

 両親の思いを受け、東京の名門男子進学校で、開成中、麻布中と並ぶ“御三家”と称される武蔵中を目指して受験勉強にまい進。だが思うように学力は伸びず、やがて精神的に追い込まれ、不登校になってしまったというのである。

「親から“学校に行け”と言われるのが嫌だったのか、6年生の時に、さいたま市にある私の両親(=少年の祖父母)の家まで逃げてきたこともありました」

 かくて祖父母が心の支えになったらしい。

「両親が共働きでしょう。寂しい思いもあったんじゃないかな。だからでしょうか、学校に行けなくなってからも、おじいちゃん、おばあちゃんの家には時折顔を見せに行ってました。ただ、昨年5月に私の母も高齢者施設に入居しまして、とうとうあの家には誰もいなくなってしまって……」

 こうして心のよりどころを失った少年が“暴走”を始めるまでに、多くの時間は要さなかった。

酒鬼薔薇聖斗との類似性

 新潟青陵大の碓井真史教授(社会心理学)は、平成史に残る少年Aの事件との類似性を次のように指摘する。

「学校で教師を切りつける前に猫を殺害し、人を殺すことに関心があったとも供述しています。生き物を殺すことに快楽を見いだすタイプだとすると、神戸連続児童殺傷事件の酒鬼薔薇聖斗に類似するといえる。ただ、人を傷つけたり殺したりすることに性的興奮を覚える性的サディズムを抱えた酒鬼薔薇と同様の精神構造を今回の少年が持っているかどうかは、今後の精神鑑定を待つ必要があります」

 碓井教授はこんな分析も。

「白昼堂々の犯行は、逮捕されてもいいという覚悟の上で大量殺人を狙っていたとも考えられます。この点、08年に25歳で『秋葉原通り魔事件』を起こし、昨年死刑が執行された加藤智大と似た要素も見受けられる。ルサンチマン(鬱屈(うっくつ)した怨恨)を内に抱え、自分をバカにした世間を見返してやるといった心理が働いている可能性もあります」

 動機は今後明らかにされようが、捜査関係者いわく、

「少年は猫を殺す動画を繰り返し見ていました。また、昨年8月に渋谷区内の路上で母娘が切りつけられた事件を参考にもしたようです。あの事件は戸田市に住む中学3年生の女子が起こしたものですが、少年はその女子生徒に憧れていたと供述しています」

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