「侍ジャパン」WBC出場選手を独自採点! 最高評価は8奪三振の「右腕」…では、期待を裏切った選手は?

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オーストラリア打線を零封

 4戦全勝でワールドベースボールクラシック(WBC)の1次ラウンド突破を決めた侍ジャパン。大谷翔平(エンゼルス)が投打でチームを牽引し、それ以外でも投手では佐々木朗希(ロッテ)、山本由伸(オリックス)、野手ではヌートバー(カージナルス)、近藤健介(ソフトバンク)、吉田正尚(レッドソックス)なども見事な活躍を見せている。そんな侍ジャパンの1次ラウンドでのプレーぶりについて、期待通りの活躍だったのか、全選手を採点した。なお点数は10点満点で、6点を合格点とした。また、出場機会が少なかった選手は「評価なし」としている。【西尾典文/野球ライター】

<投手>
山本由伸(オリックス):8点、大谷翔平(エンゼルス):7.5点、佐々木朗希(ロッテ):7点、宮城大弥(オリックス):7点、宇田川優希(オリックス):7点、今永昇太(DeNA):6.5点、戸郷翔征(巨人):6.5点、伊藤大海(日本ハム):6.5点、湯浅京己(阪神):6点、大勢(巨人):6点、松井裕樹(楽天):6点、高橋奎二(ヤクルト):6点、高橋宏斗(中日):5.5点、ダルビッシュ有(パドレス):5点、栗林良吏(広島):評価なし(登板なし)

 投手で最高点をつけたのが、オーストラリア戦で先発した山本だ。準々決勝進出が決まった後で、比較的プレッシャーの少ない試合ではあったものの、力のある打者が多いオーストラリア打線を全く寄せ付けず、4回を被安打1、8奪三振と圧巻の投球を見せた。

 結果はもちろんだが、内容的にも素晴らしく、安定感では強力投手陣の中でもナンバーワンと言える。順調に勝ち進めば、準決勝か決勝を任せられることになるだろう。

第2先発で存在感を見せた宮城

 先発投手では、大谷と佐々木もさすがの投球だった。大谷は立ち上がり少しばらつきこそあったものの、スライダーを多く使う配球で中国打線を翻弄。4回を投げ切り、四死球0だったというのは大きな収穫である。1次ラウンド後に、勝ち進んでも準決勝、決勝での登板はないと報道されており、準々決勝での登板が濃厚だ。

 佐々木はチェコ戦に登板し、味方のエラーで1点は失ったものの、3回2/3を投げて自責点は0、8奪三振と持ち味は十分に発揮した。3四死球は反省材料だが、ストレートは常時160キロを超え、140キロ台後半のフォークも威力を抜群だった。今後の強豪国との対戦でも、打者を圧倒する投球を見せてくれそうだ。

 先発で唯一苦しんだのが、韓国戦に登板したダルビッシュだ。2回まではパーフェクトに抑えていたものの、3回にツーランを浴びるなど3失点で降板。ストレートも変化球もまだ好調時に比べると、調整途上という印象を受ける。プレー以外の面でチームの精神的支柱となっており、その点での貢献度は大きいとはいえ、本職のピッチングで本来の調子を取り戻してもらいたい。

 WBCは球数制限が厳しいため、重要な役割を担っているのが、第2先発の投手たちだ。こちらは4人ともしっかりと力を発揮していたように見えた。中でも、状態の良さが目立ったのが宮城である。チェコ戦で5回からマウンドに上がると、立ち上がりに1点こそ失ったものの、残りの4イニングは1人の走者も許すことなく試合の最後まで投げ切って見せた。

 ボールの力も昨シーズンと比べても上がっているように見え、変化球の精度も高い。同学年の佐々木に高い注目が集まるが、これだけの若さで大舞台でも力を発揮できるのは大きな魅力である。今後も重要な場面を任されることになるだろう。

 最後にセットアッパーと抑えだが、高橋宏斗はオーストラリア戦で一発を浴びたものの、それ以外の投手は全員が無失点とこちらもしっかりと力を発揮している。中でも宇田川、伊藤は1人の走者も許しておらず、WBC球をしっかり操っているように見えた。また、大勢もここまでは2年目のジンクスを全く感じさせないボールの勢いを見せている。東京五輪で抑えを務めた栗林が腰の張りを訴えて離脱したのは痛手だが、それを補えるだけの投手は揃っている。

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