1番・ヌートバーを見て思うこと【柴田勲のセブンアイズ】
ヌートバー起用の重要性
ヌートバーは全4試合で打率4割2分8厘、出塁率が6割近い(5割7分9厘)、近藤は打率4割6分7厘、10日の韓国戦から3試合連続で打点を挙げている。
このコンビが大谷以下のクリーンアップにお膳立てをし、または下位打線が作ったチャンスに応じる。打線は1番から9番まで長打力のある選手を並べるよりも、それぞれの選手が自分の打順の役割を把握する、実践することが大事だ。改めて知らされた。
特にヌートバーの1番起用は栗山英樹監督のヒットだろう。外野ならどこでも守ることができる代表初の日系選手だ。
日本代表に選出された時には「どうかな?」と思ったが、まさしく走攻守の三拍子そろった好選手だった。これには驚いた。
日本代表といっても各球団からの寄せ集めチームである。こんな時、絶対に必要なのはチームを盛り上げて、引っ張っていくムードメーカーの存在だ。
ヌートバーはその役割を果たしている。全力でプレーする姿がすがすがしい。打撃は思い切りがいい。ファーストストライクを積極的に狙っている。でも大振りをしない。コンパクトなスイングを心がけている。
守備でも目を見張るものがある。中国戦では3回、中前への浅い飛球をスライディングキャッチ、韓国戦でも5回に中前に落ちそうな打球をダイビングャッチする超ファインプレーで球場を沸かせた。
このプレーでチームを活気づかせて打線はその裏から大量9得点した。自身も4打数2安打1打点と気を吐いたが、守備のハッスルプレーでチームを鼓舞した。走塁でも常に次の塁を狙う姿勢を見せている。
「野球はこうやるんだよ」という見本みたいな選手だと思う。少年ファンはぜひ見習ってほしい。日本のファンのハートをガッチリつかんだのもよくわかる。
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