合言葉は「ゴーンを取り戻せ」 検察の五輪汚職事件の最終目的地

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ゴーン奪還計画

「そうですね。そうやって様々な事件指揮を担ってもらいたいという思いと同時に、日産元CEOのカルロス・ゴーン被告を奪還したいとの考えが強いのだと感じます」(同)

 ゴーン被告を2018年11月に金融商品取引法違反容疑で逮捕・起訴した時の特捜部長が、森本氏だった。

「逮捕後、“ゴーンは早晩、逃げるかもしれない”という話が、法務検察内で冗談ではないレベルで交わされていたそうです。実際に逮捕から約1年後に逃亡しました。それだけに、何としてでも奪還しなければならないというのが森本氏のみならず目標となっているとのことです」(同)

 合言葉は「ゴーンを取り戻せ」――奪還作戦の切り札とまでは言わないが、それなりのカードとなっているのが今回の東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件なのだという。

「フランス司法当局は、IOC(国際オリンピック委員会)理事らの汚職疑惑に威信をかけてきました。このうちの1つに、東京への五輪招致をめぐって贈賄疑惑で竹田恒和・元招致委員会理事長の捜査も含まれています」(同)

フランス当局と歩調を合わせて

「当然、フランス当局が五輪マフィアと言われる高橋被告らの情報を求めていることは間違いない。だから、それらを積み重ねて惜しみなくフランス当局へ提供することで、恩を売る作戦のようです」

 一方のフランスは、ゴーン被告が逃亡生活を送るレバノンに強い影響力を保持する。

「フランスはゴーンの身柄引き渡しに動き始めており、去年4月に別件で逮捕状を出し、国際手配中です。すでに1年が経過しようとしているわけですが、レバノンに圧力をかけ始めたのは間違いないでしょう」(同)

 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件の全容を解明する流れの中で、フランス捜査当局が求める情報を提供しつつ、ゴーン被告の身柄拘束につなげて行く──。「ゴーンを取り戻せ」の合言葉通りのシナリオとなるかどうか。

デイリー新潮編集部

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