共産党のダブルスタンダード 「党首公選」を主張した1人は除名、1人はスルー

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党歴60年の古参党員の訴え

「著者の鈴木氏は78歳。共産党の金城湯池とされる京都で府委員会常任委員を務めた重鎮です。当然、薫陶を受けた党員も多く、除名なんてしたら、京都が穏やかでなくなる可能性もはらんでいるということでした。統一地方選が目前に迫っており、共産党側は“ひとまずスルー作戦”を採っているように映りますね」(同)

 同書のキャッチコピーには「党歴60年の古参党員からの直言 志位委員長は直ちに辞任して、党首公選を行って選ばれる新しい指導部に共産党の改革を委ねるべきだ。党歴60年の古参党員が訴える」とある。

 今月頭に京都市内を訪れた志位委員長は集会で、松竹氏を「党規約を無視した行動で除名された某党員」と言及し、「(この某党員)を利用して、一部大手メディアが“異論を許さない政党だ”とのキャンペーンを張っている」と主張を展開していた。

統一地方選を気にして

「松竹氏の“ま”の字も出さないところにプライドと言うか、センシティブさと言うか、志位氏が“気にしている感じ”が出ているように映りました。一方で鈴木氏のことについてはかりに処分があるとしても統一地方選が終わってからでしょうね。書籍のタイトルが自身に向けられた手紙ということなので、何らかのリアクションが求められるとは思います」(同)

 志位氏がトップに就任してから20年以上が経過。外部からは見えない形で体制が維持されていることには大きな問題がある。これはごく普通の意見だろう。

 こうした「異論」に対して、一方を一気に処分し、他方をスルーというダブルスタンダードが展開されているというのが現状のようだ。しかしダンマリを決め込む時間が長ければそれだけ、弁明する内容には深さも必要になりそうだ。

デイリー新潮編集部

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