共産党のダブルスタンダード 「党首公選」を主張した1人は除名、1人はスルー

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最も重い除名処分

「党首公選」を主張して『シン・日本共産党宣言 ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文春新書)を上梓した松竹伸幸氏(68)の”粛清“問題がいまだに尾を引いている。

 松竹氏は、党本部で安保外交部長などを務めた論客だが、同書での問題提起が問題視され、結果的に除名処分となった。一方で同様の内容の書籍を出版した人物の書籍は今のところ不問に付されているため、党内からもダブルスタンダードではないかとのツッコミが出ているという。一体どういうことなのか?

 松竹氏は出版にあたって、会見するなどしてメディアが大きく取り上げた。党首公選や現実的な安全保障政策など、著書での主張は一般に理解されにくいものではなかった。しかし、結果として前時代的でブラック企業のような共産党の体質を浮き彫りにする内容となっており、党の方はもちろん黙っていなかった。

お咎めなしの理由

「しんぶん赤旗で反論文が掲載され、志位和夫委員長自身、会見で口を極めてののしるように批判していました。いつも冷静沈着な志位氏にしては珍しく、相当なプレッシャーというかストレスを感じていることが推察されましたね」

 と、担当記者。

 結局、党は除名処分を下すことに。本の出版からは1ヶ月足らずというスピード処分である。

 主張そのものではなく、いきなり外部に向けて発信したこと等が問題だというのが処分する側の理屈だった。しかし、今度は朝日、毎日、産経が相次いでその判断を批判。その中には、強権体制とか不見識といった強い言葉が踊っていた。産経はともかく、朝日、毎日も強く批判することは、共産党にとっては痛かったかもしれない。

 一方で、松竹氏とほぼ同じ今年1月に出版されたのが、鈴木元(はじめ)氏だ。『志位和夫委員長への手紙 日本共産党の新生を願って』(かもがわ出版)なる書籍で、内部から党首公選を訴えているという意味で、『シン~』と同じ。松竹氏、鈴木氏ともジャーナリストで、過去、かもがわ出版から多くの著作を刊行していたというキャリアもよく似ている。

 しかし、鈴木氏のほうはお咎めなしのようだ。どうしてなのか?

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