「数年前に彼のお父さんが謎の死を…」 京都タリウム殺人、容疑者の実家で起きていた不可解な動き
「数年前に実父が謎の死を遂げている」
「ホテルや飲食業がピンチに陥る中、逆にそのあたりから急に羽振りが良くなったように聞いています」
とは、容疑者を知る別の人物である。
「単価が2、3万円するような高級店に通うようになったんです。例えば、食べログで全国屈指の高評価を誇る京都の高級中華や完全予約制の和食屋、日帰りで北海道にすしを食べに行くこともありました。いずれも予約の取れないような店ばかり。食事する相手も会社の社長などお金持ちになっていきました」
突然の高級志向に傾いたのと並行し、彼の家庭環境にも“異変”が起きていた。
事情を知る関係者が声を潜める。
「実は彼のお父さんは数年前に謎の死を遂げているんです。地元で不動産業やケーブル工事などをする会社の社長だったようですが……。さらに、3年ほど前からおばが仕事に就けない状態になっていたと聞いてます」
まるで“乗っ取り”
おばは先のお茶屋のための会社とは別に、不動産業を営む会社の代表を務めていた。おばがいなくなったのと前後して、宮本容疑者がおばに代わり、不動産会社の新代表に就任している。すると、不思議なことにおばが所有する不動産が動き出すのだ。
一つはその不動産会社が入居している京都市内の6階建てのビルと40坪ほどの土地だ。20年末におば個人から宮本容疑者が新代表となった不動産会社に所有権が移転している。さらに、おばが所有する市内のマンションの一室も宮本容疑者が引き受けた後にすぐ転売している。
これではまるで不動産会社とおばの資産の“乗っ取り”である。それをお膳立てするかのように父親は鬼籍に入り、おばは表舞台から消えた。宮本容疑者一家にこの間、何が起きていたのだろうか――。
捜査を進める中で、府警の捜査員は宮本容疑者の知人たちに電話で接触している。
その知人の一人によれば、
「彼は“やっかいなことになった”“バイトの子が酒飲んでたら泡吹いて実家に送っていったけど亡くなった”“けど疑いは晴れると思うわ”と話していました。とても落ち着いた口ぶりでした」
宮本容疑者とその一家を覆う疑惑は晴れるどころか、ますます深まる様相を見せ始めている。