お笑い界ににわかに注目される岡山県 言われてみれば納得の「千鳥」の大きな功績
大阪との距離感も影響?
岡山は関西地方に近いが、関西の文化とは微妙に距離を置いているところがある。気候も温暖で暮らしやすいと言われていて、どこかのんびりした雰囲気もある。笑いの聖地である大阪に対して、地理的に遠くはないが程よい距離を保っているところが、芸人が育つ土壌としてはちょうどいいのかもしれない。
かが屋の加賀翔による半自伝的小説『おおあんごう』(講談社)では、作中で登場人物が発する岡山弁の台詞の数々が印象に残る。タイトルの「おおあんごう」というのも、彼の父親が実際によく使っていたという岡山弁の言葉である。
かが屋はコントを専門にしている。普段はそこまで方言を売りにしているわけではないが、ネタの中には加賀が岡山弁を使うものもある。方言を用いることで、独特の温かみや泥臭さがかもし出される効果がある。
その言葉は乱暴なようで温かみがある。そんなどっちつかずの特徴を持つ岡山で生まれ育った芸人たちは、それぞれが一筋縄ではいかない魅力を持っているのだ。