オリックス宇田川を苦しめたキャンプ生活 救ったダルビッシュのケア方法とは?

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 宇田川優希(24)。半年前は無名だった野球選手が、いま話題の的になっている。

 埼玉の公立高校――もちろん甲子園出場経験無し――から仙台大へ。2020年ドラフトでオリックスに指名されプロ入りしたが、育成枠のそれも3位。いわゆる“雑草”である。

 1年目は2軍登板1試合のみ。だが、2年目の昨季、期限ギリギリの7月末に支配下登録されると、突如として超新星のごとく輝きを放つ。19試合に登板し、防御率0.81でオリックス逆転Vの立役者に。CSや日本シリーズでも好投し、“影のMVP”とたたえられた。そして、侍ジャパンに選出。これほどのシンデレラボーイがいるだろうか。

宇田川を苦しめたキャンプ

 もっとも、宇田川自身も、右肩上がり、いや垂直上昇というべき周囲の評価に戸惑っていた。

「SNSに『代表を辞退しろ』というメッセージが届き、落ち込んだのだとか」

 とスポーツ紙記者が語る。

「実のところ、彼は、メジャー移籍して参加が不透明だった千賀滉大(30)の差し替え要員でした。宇田川以外は各チームの主戦級投手で、“千賀が来てくれるからチェンジで”なんて到底言えない相手ですから」

 2月から始まったオリックスキャンプは宇田川を苦しめた。WBC公式球に四苦八苦するだけでなく、

「大食漢かつ太りやすい体質で、体重は100キロを超えていた。見かねた中嶋聡監督が減量を指令。食事会場では、皿に載せたケーキの数まで監視されていた」

 その後の侍合宿でも、

「球界を代表する有名選手の中に放り込まれ、知っている選手は同じオリの山本由伸(24)だけ。人見知りだという彼は、初日はロッカールームの隅っこで縮こまっていたらしい」

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