パソナが33億円の「コロナ利権」を手にした手口を明石市長が明かす 「落選議員を使って営業を」
これをコロナ利権と言わずしてなんと言うのか。関西地方で発覚したワクチン接種コールセンター業務での過大請求問題。その額は10億円超にも上るが、業務を請け負ったのはあの“政商”率いる人材派遣大手のパソナグループで――。
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濡れ手で粟の大儲け、のはずだった。2月10日、大阪府枚方市で明らかになった今回の過大請求問題について、経緯を取材したジャーナリストが語る。
「枚方市ではワクチン接種のコールセンター業務をパソナに委託し、さらにパソナがエテルという会社に再委託していました。が、昨年11月、オペレーターが100人勤務しているはずのところ、実際にはその3分の1しかいなかったことが分かったのです。エテル社はパソナに虚偽の人数を報告しており、他に吹田市、兵庫県西宮市でも同様の事例が発生していました」
人数を水増しした不正により得ていた額は10億円以上。その分が過大請求だとして、パソナは各市に返還するとしている。パソナグループの広報部は、
「エテル社に対してはすでに契約を解消したほか、損害賠償請求をいたします」
約4億円を中抜きか
とはいえ、この業務を請け負い、管理していたのはパソナに他ならない。
「この2年でパソナが3市から委託された業務の総額は33億円にもなります。枚方市の場合、再委託の際のパソナのマージンは12%。他市も同様なら、パソナは約4億円を中抜きにより得ていたことになります」(先のジャーナリスト)
そもそもなぜパソナは地方行政にここまで食い込めているのか。
パソナを率いるのは南部靖之代表(71)。かつて、都内にある「仁風林(にんぷうりん)」なる自社の“迎賓館”施設で大物政治家を接待し、政界と強い結びつきがあることが報じられた他、経済財政担当大臣も務めた竹中平蔵氏を2007年、パソナに招聘(しょうへい)したことでも知られる。竹中氏は昨年8月に会長職から退任したものの、同社は今なお政官界で存在感を示しているのだ。
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