「めざまし8」谷原章介の発言が“炎上コンテンツ”と化したワケ 政治家の失言との共通点は?

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「視聴者目線」を逆手にとった成功がアダに? 谷原世代に影響した「俺色MC番組」の時代

 谷原さんは高校時代、「谷原はモテるから」と言われるのが癪で、男性とばかり遊んでいたという。そして彼が俳優としてブレークしたのはドラマ「プライド」での夏川役のような「ハンサムだけど嫌な男」という役を演じてからだ。つまり周りからは「苦労を知らない二枚目」と反感を買いがちという「視聴者目線」をわかった時、彼の転機は訪れたのではないか。そしてその成功法則は、彼を強く縛っているように見えるのである。

 谷原さんにインタビューした朝日新聞の記事では、「芝居でも司会でも文章でも、大事にするのは「生活者の視点」と結ばれている。

 そして「めざまし8」MC就任に関しては「王様のブランチのような週末番組はハレの番組、片や平日の帯番組はケ、日常生活のための番組」と、違うスタンスでいくことを表明している。

 週末番組では常に品のいい紳士というたたずまいで、発言や進行もそつがなかった。ユニクロも軽自動車も買わなさそうだし、女性に対しても余計なことは言わない。けれども谷原さんは、それとは違う司会スタイルでいくことを表明したことになる。これは彼の好感度の高い司会ぶりを見て起用した制作サイドとしては、少し計算違いだったのではないだろうか。

 そして情報番組といえばMCで決まるという流れは根強い。「めざまし8」の前に放送されていた「とくダネ!」の影響も、谷原さんは意識したことだろう。小倉智昭さんのアグレッシブな物言いの印象が良くも悪くも残っている。小倉さんに限らず、「俺色コメント」の情報番組は活況だった。加藤浩次さんの「スッキリ」も宮根誠司さんの「ミヤネ屋」も、坂上忍さんの「バイキング」に、さかのぼればみのもんたさんの「おもいッきりテレビ」まで。みなアクの強い物言いをする中年男性で、賛否両論あった人ばかりだ。

 情報番組はMC色に左右されるとわかっているから、抜てきされたからには谷原色を出そう。しかも、視聴者目線を忘れずに一言言おう。そういう意気込みが、要らぬ失言にもつながってしまうように思う。しかし前述の「俺色コメント」の番組は軒並み終了に向かった。谷原さんが大事にする「生活者の視点」で言うならば、「朝からMCの主観が強いものは見たくない」という傾向を表しているのだろう。

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