“乗っ取り屋”「佐々木ベジ」に狙われた土木会社の“残酷物語” 苛烈な締め付けで退職者続出

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職務権限規程

 バブル華やかなりし時代から、企業買収でその名を馳せた佐々木ベジ氏(67)。高校卒業後、秋葉原でのチラシ配りやバッタ屋で身を起こすと、通信販売や不動産業で成功を収め、財を成した。その豊富な資金力にモノを言わせ、20社以上の企業を傘下に収めている。佐々木氏が、目下、「乗っ取り屋」として精力を傾けているのが、土木関連会社「技研興業」だ。

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 佐々木氏はかつて、グループ中核企業の「フリージア・マクロス」で技研興業の20%前後の株を取得し、取締役に加わっていた。だが傘下の通販会社が倒産し、佐々木氏自身も破産宣告を受けるはめに。結果、97年9月、技研興業から放逐されたのだ。

 そのリベンジのつもりか、2011年以降、佐々木氏は再び技研興業の株を買い集め始めた。技研興業の元社員によれば、それが、技研興業における“残酷物語”の始まりだったという。

「17年4月、フリージアは50%超の株を握る筆頭株主に躍り出た。佐々木さんは、その2年前の株主総会で技研興業に舞い戻ってきました」

 取締役会長となった佐々木氏は、社屋の家賃や水道光熱費、人件費や材料費に至るまで、使途の報告を要求。取締役の任命や幹部人事も独断で差配し始めた。「職務権限規程」が策定され、施工の段取りやクレーム処理なども、すべて佐々木氏の承認を得なければならなくなった。

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