好調「リバーサルオーケストラ」は“大人たちの青春ドラマ” 「スタンドUPスタート」と明暗を分けた3つの理由

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意地悪キャラにピュアな恋の話も青春ドラマと一緒

 フルート主席の庄司蒼(坂東龍汰・25)は貧しさが理由で遅刻を重ねていたが、初音からネットを使ったフルートの個人レッスン業を勧められ、実際に始めた。その上、初音宅への下宿を許され、家賃の不安が消えた。練習に打ち込めるようになった。

 ヴィオラトップサイドの桃井みどり(濱田マリ・54)が、進路のことで悶々とする高3の娘・亜美(凛美・16)が理由となって沈んでいると、団員たちはみどりと一緒に亜美の通う高校へ出向き、緑黄色社会の「Mela!」を演奏した。

 溌剌と演奏をするみどりを見て亜美は吹っ切れる。自分もチアリーディング仲間たちと同じ大学に進み、チアを続ける決心をした。

 玉響の団員は誰かが困っていたら、スッと手を差し伸べる。楽団のためというより、仲間だから。ミスを誰かのせいにすることはない。観ていて気分のいい作品になるわけである。

 青春ドラマでは故・穂積隆信さんや故・柳生博さんらが扮する意地悪な教頭、教師らがサッカー部、ラグビー部を目の敵にして、潰そうとした。この作品では西さいたま市議の本宮雄一(津田健次郎・51)がその役割を担い、スパイスになっている。

 ピュアな恋の話が登場するのも青春ドラマと一緒。初音は庄司から告白を受けたが、これを固辞し、もう1人の主人公でマエストロ(指揮者)の常葉朝陽(田中圭・38)に好きだと伝えた。さて、どうなるやら。

 青春ドラマは最終回でエリート校と死闘を演じるのも特徴だった。定番ではなく、観る側が望む様式美である。この作品も3月15日の最終回で、日本一の楽団「高階フィルハーモニックオーケストラ」と対決するだろう。どちらが勝つのかは分からないが、観る側を熱くさせるに違いない。

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