【文書捏造論争】「高市vs小西」対決で、高市氏が恨みを買っていた相手とは?
一体誰がどういう意図で野党側に
実際に、松本剛明総務相は7日、文書自体は本物だと認めている。ただし、「正確性を期する手順がとられていない」「関係者からの聞き取りでも“認識が異なる”ことが判明している」などとし、書かれている内容がすべて正確かどうかは不明だという。
となると、このあと焦点となるのは、「安倍氏と高市氏の会話は事実か」ということに加えて「何が事実なら、つまり捏造でないなら高市氏は辞めるという意味だったのか」ということになるのかもしれない。
高市氏の側は当然、「安倍氏との会話の部分が捏造でないなら」という意味だと主張するだろうし、立憲民主党側は「文書は本物だったじゃないか。捏造ではない。辞めろ」と言い募るだろう。
さらに注目されるのが、一体誰がどういう意図で野党側に文書を渡したのか、という問題。そこで動機として挙げられるのが、高市氏が「恨みを買う案件があった」ということになる。
それは2019年12月、総務相だった高市氏が緊急会見を開き、かんぽ生命保険の販売をめぐってこれを不適切だと断じ、鈴木茂樹総務次官を懲戒処分とした(直後に辞職)案件を指すのだという。
W鈴木案件
「鈴木次官から、日本郵政の鈴木康雄上級副社長に行政処分の検討状況に関するアレコレが漏えいし、それが重く受け止められたとのことでした。高市氏は“大臣室でごく少数の幹部と話した内容が日本郵政側に漏れている”とも会見で訴えていました。相当な迫力でしたね」(同)
この“W鈴木”は共に旧郵政省出身だ。
「もともと高市氏は放送行政に不信・不満を抱いていたとされ、旧郵政側との対立は根深いものがありました。当時のW鈴木案件を経て、高市氏やその後ろ盾となってきた安倍元首相の足を引っ張ることができるタイミングがあればどこかで……という発想があってもおかしくないのではと見るムキはありますね」(同)
しかし、足を引っ張るのならば、高市氏が自民党総裁選に出馬した際など、いくらでも機会はあったはずだが……。
「確かになぜこのタイミングなのかはハッキリとはしませんね。4月9日投開票の奈良県知事選をめぐって高市氏が、自身が総務相だった時の秘書官擁立を主導したことで保守分裂の様相を呈しており、それに絡んで今回の情報がリークされたのではと指摘する声もありましたが、十分に説得力があるとは思えません」(同)
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