菅前首相の「岸田批判」トーンダウンの理由は?

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「岸田嫌い」だった

 年明け早々、岸田文雄首相に舌鋒鋭い批判を展開した菅義偉前首相。ここ最近はそれがトーンダウンしたとの指摘もあるようだが、それが事実だとしたら理由はどういったものなのか?

 菅前首相はかねて、岸田首相に対する評価が極めて低いとされてきた。

「“岸田だけは首相にしてはいけない”と言っていたことがあるとの報道もありました。アンチ岸田という意味ではスタンスは今もなお変わっていないと思われます」

 と、政治部デスク。だからこそ前首相は年明け早々、防衛増税や首相が岸田派(宏池会)の会長を続けていることについて批判を展開していた。

「いずれも真っ当な指摘でありつつ、準備していなければ発表されるような中身ではないため、菅さんがいよいよ反岸田の旗幟を鮮明にしたとの評価がありました」(同)

 反主流派に甘んじていた菅氏がようやく重い腰を上げたということで、その動向は菅氏の思惑を離れて、永田町のみならず広く注目されることになった。

選挙に弱い議員の受け皿

「菅氏としては倒閣運動というほどの大仰な姿勢は取っていなかったとは思います。自分が再登板する気持ちもないようですし。ただ、時の政権に影響力を及ぼせるか否かについてはものすごく意識しているようで、そのための布石ということだったのでしょう」(同)

 具体的にはどういうことか?

「岸田政権が打ち出している内容は増税路線であり、国民に負担を強いるものが少なくない。仮に解散総選挙になれば支持を受けづらい政策です。選挙にそれほど強くない候補者にとって、その種の政策を訴えるのは死活問題。そういった議員の受け皿となれるならその準備をしておきたいというのが菅氏の行動原理だったと映ります」(同)

 実は、菅氏は最近もダンマリを決め込んでいたわけではない。

 2月1日のインターネット番組では、岸田首相の増税表明について「短期間で出てきてちょっと荒っぽかった。丁寧に説明しながら進めるべきだ」などと訴えた。

 さらに首相が岸田派(宏池会)の会長を続けていることについて、

「自民党総裁と首相は国民の先頭に立って進む人。派閥を出るべきだとまでは言わないが、派閥会合にまで出席するのはいかがかと思う」と持論を述べていた。

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