香港が無料航空券を50万枚バラマキ 日本への割り当ては何枚になる?
言うなれば全国旅行支援の香港版というところか。
香港を訪れる旅行客に対して50万枚もの無料航空券を配布すると香港政府が発表したのは2月2日のこと。加えて香港のレストランやバーで優待サービスを受けられるクーポンも100万枚以上準備したというのだ。名付けて「ハロー香港」キャンペーンである。
香港政府観光局に聞いてみると、
「無料航空券は往復となっており、配布時期は地域によって違います。東南アジアが3月1日以降、中国本土が4月以降。日本を含む北東アジア地域に対しては5月以降に配布されます(その他の地域も5月以降)。また、香港の方が海外に行くための無料チケットもあり、これは7月以降。実際に配布を担当するのはキャセイパシフィック航空と香港航空、香港エクスプレス航空となっており、抽選にするのか先着順にするのかは3航空会社がそれぞれホームページやリリースで発表します」(広報担当者)
もっとも燃油サーチャージは別。キャセイパシフィックによると今年2月現在で日本―香港間のサーチャージは2万5400円。さらに香港はホテル代が高く、日本のビジネスホテルクラスでも2万~3万円は当たり前。合計すると2泊3日でも結構な値段になる。
バンコクが急回復
香港にも苦しい事情がある。コロナ前の2019年に訪れた旅行客は年間約5591万人。それが民主化デモによるイメージ悪化や中国本土のロックダウンで昨年の訪問者はわずか60万5千人に激減した。旅行ジャーナリストで淑徳大学教授の千葉千枝子氏が言う。
「大きく訪問客を減らした香港に対し、バンコクが急回復しています。このままでは観光・ビジネスの中心としてのポジションが危うくなるとみて、巻き返しの作戦に出たのでしょう。今や旅行代はヨーロッパ100万円、ハワイ70万円程度が当たり前になっています。それに比べると無料航空券を使えば香港旅行はお得感があります」
香港政府観光局によると、国別の配布数は、これまでの旅行者数の実績を考慮するというから、日本への割り当ては2万~3万枚ぐらいか。あっという間に蒸発しそうだ。