今春発売「24時間」で建つ「500万円」の一戸建て 意外にも「60歳以上」から問い合わせが殺到する理由
「住宅ローン」からの解放
フジツボモデルへの問い合わせはすでに2000件を超え、なかでも「60歳以上」の人たちからの関心が非常に高いという。実際、同社には「60歳になったら家を貸してもらえなくなった」や「すでに住宅ローンは払い終えたが、リフォームの必要性に迫られたところ“1000万、2000万円の単位で費用がかかる”と言われた」などの声が多く寄せられているとも。
そのためフジツボモデルは高齢夫婦(2人世帯)が快適に暮らせることをコンセプトに開発されたという。
「現在、返済期間30年の住宅ローンを組んだ人の完済時平均年齢は73歳。ローンを組める人はまだよく、日本人の約4割は住宅を生涯持てず、その割合は過去10年で約10%上昇しています。私たちの最終目標はすべての人を住宅ローンの重圧やくびきから解放し、生活をより豊かにすることです。ローンや家賃がなくなれば、仕事も人生の選択肢ももっと増える。日本人の生き方の自由を阻害している最大の要因の一つが住宅問題だと捉えています」(飯田氏)
もちろん土地は自分で用意しなければならず、土地代が高ければ「3Dハウス」の利点も薄れる。どうすればいいのか。
目安は「政令指定都市から90分」
「“都心でフジツボモデルを建てたい”といった相談も寄せられていますが、私たちは“それはやめましょう”と答えています。たとえば都内中央区で100平方メートルの土地となると5億円を超えますが、私の住む大分県日田市周辺だと100万円を切るエリアも少なくない。私たちが提唱しているのは政令指定都市から車で90分といった距離を目安に土地を探し、ゆっくり生活するスタイルです」(飯田氏)
経済アナリストの森永卓郎氏もこう言う。
「田舎に行けば、49平方メートルの家に見合う土地なら1000万円以下で見つけることは難しくありません。ただし、あまりに僻地だと生活の不便さが増し、暮らしそのものが困難になる。すこし足を伸ばせばスーパーや病院などの生活インフラにリーチできる“適度な田舎”に建てるのがベストではないでしょうか。高齢者が老後を見据えて購入することの利点は大きいと思いますが、現役世代が趣味の部屋やセカンドハウスとして利用するのにも適していると思います」
日本人を「家の呪縛」から解放する“救世主”となるか。