デジタル先進国からマイナカードに疑問符 韓国では「国民の40%がカード紛失」
「カードが必要という理屈がよく分からない」
オーストラリア第3の都市であるブリスベンで会社を経営する女性は、
「オーストラリアには納税者番号と医療番号がありますが、どちらも分野別の番号。80年代にオーストラリアカードという共通番号に基づく身分証の導入が議論されたこともありましたが、実現していません」
日本の保険証に相当するカードは存在するというが、
「管理番号と名前が書いてあるだけで生年月日も顔写真も記載されていないため、身分証明書として使うことはない。病院では券面に表示されていない生年月日や既往歴を確認することで他人による悪用を防いでいます。番号カードがなくても行政手続きはほとんどオンラインでできるので、デジタル化のためにカードが必要という理屈はよくわかりません」(同)
40%が紛失
一方、3位の韓国では17歳以上の国民に13桁の住民登録番号が付番され、番号が記載された住民登録カードも幅広い分野で利用されている。だが、『韓国 超ネット社会の闇』などの著書があるジャーナリストの金敬哲氏によれば、
「韓国では『政府24』というオンラインサービスがありますが、住民登録番号を使ってワクチン接種証明や家族関係証明書など多くの書類を取得できます」
つまり韓国でもオンライン行政手続き自体にカードは使われない。住民登録カードの廃止も議論の俎上に載っているといい、
「問題の一つはカードの紛失です。一昨年には17歳以上の国民の約40%が10年間のうちに1回以上、カードを紛失していることが分かりました。再発行は10年間で1650万件に上り、1千億ウォンもの費用がかかっていたのです」(同)
いかがだろうか。もちろん番号カードを必要とする事情は国によって異なるため、容易に比較できるものではない。だが、カードを用いずにデジタル政府化を成し遂げた国々がある以上、カードの普及が絶対条件であるかのような河野氏の発言はミスリードと言われても仕方あるまい。必要とされているのは、あくまで丁寧で合理的な説明なのだ。
マイナカードの利点・欠点を知った上で、我々もその是非を熟考すべきだろう。
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