中国のスパイ気球を日本は撃墜するべきか なぜアメリカは1発で仕留められなかった?

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日本にばかり気球が飛んでくる事態にも

 しかし、高高度での自衛隊機の活動が難しいにせよ、中国が対抗措置を取るにせよ、気球による我が国への侵入を見逃せば国としての根幹が揺らぐことになる。

「領空と領海では侵犯の重みが違います。領海には無害通航権がありますが、領空は排他的かつ絶対的な主権が認められています」(織田氏)

 さらに潮氏の指摘。

「警告に従わない場合に撃墜するという原則に則った対応を日本だけしないとなれば、もはや『国家の体をなしていない』といえ、日本にばかり気球が飛んでくる事態になりかねません。『空』は主権国家にとってそれほど大事なのです」

 最後に前統合幕僚長の河野克俊氏が語る。

「実際に撃墜する場合には、アメリカでバイデン大統領が決断したように、日本でも統合幕僚長から防衛大臣、総理大臣にまで報告が上げられて判断します。今後、他国の気球が確認されれば日本領土の上空に到達する前に、領海内で撃ち落とす判断を下すことになるでしょう。民間機の安全を考えれば、国内世論の理解も得られるはずです」

 気球の「回答」がいかなるものでも海の藻くずになってもらうほかないのである。

週刊新潮 2023年3月2日号掲載

特集「『気球』がなんと答えようと中国の『スパイ気球』を撃墜せよ」より

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