「G20」欠席して国会での仕事は「53秒」だった林外相を足止めした犯人は誰なのか?
林氏の無駄遣い
3月2日の参議院予算委員会は、審議のために林芳正外相のG20(主要20か国の外相会合)への出席が見送られたことが話題となった。岸田文雄首相は国会の場で説明し、自民党の麻生太郎副総裁は苦言を呈するなどし、各報道番組でも報じられた。実際、林外相が国会で席に座っている意味はほとんどなかったようで、国益を逸しているとの指摘もある。開催国インドのメディアからも批判が出ている。欠席となったのは誰のせいなのか?
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日本維新の会の音喜多駿氏は参院予算委員会での質疑で、林氏が国会を優先した結果、G20に欠席することになった判断に注文を付けた。
これに対して岸田首相は、「林氏の出席の可能性を追求したが、国会を含む日程などを総合的に勘案した」と説明したのだが……。
「音喜多氏は、1日の審議で林氏への与野党の質問がたった1問で回答時間が53秒だったことを持ち出して、”林氏の無駄遣いだったと言わざるを得ない“と言っていましたね。誰の目にも、”林さんは国会にいる必要がなかったよね“というのは明らかだったと思います」
と、政治部デスク。
やる意味があるのか?
一方で自民党の麻生副総裁も自派閥の会合で、「林外務大臣が、G20外相会合に出られなくなったというのはどうかと思う」と苦言を呈した。
「ロシアのウクライナ侵攻から1年が経過し、G20は関連の話をするにはまたとない会合なのに、ほとんど意味のない国会での論議が足を引っ張って欠席に至ったことを嘆いているようでもありました」(同)
予算委での基本的質疑については、首相と全閣僚の出席が原則となってきた。副大臣や政務官が代理で答弁してもいいことになっているのだが、往々にして「大臣出席が必要」という声が幅を利かせがちだ。
「国会としては基本や慣例に忠実にということで、林氏のG20出席に待ったをかけたようです。しかし、外務省がしつこいくらいに出席を主張していたら、柔軟な対応ができていたのではないかという声は大きいですね。その他、衆院と同じ扱いを求めたとされる自民党の参院側の“責任”を問う声もあります。世耕弘成参院幹事長が何らかの働きかけを行っていれば話は変わったかもしれません」(同)
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