一周忌・西郷輝彦さんの親友が明かす晩年 「4千万円の借金を毎月コツコツ返済してくれた」
ギャラを仮差し押さえ
順風満帆な芸能生活にはっきりと影が差すようになったのは、2011年に前立腺がんを患い、全摘手術を受けた頃からだった。
「デビュー50周年を控えた13年には、自身が代表を務める芸能事務所で“内紛”が勃発。所属社員からギャラの仮差し押さえを申し立てられる憂き目にも遭っています」(同)
大手銀行からの融資を得られず、資金繰りにも窮したようだ。不動産担保ローン会社から借り入れを行い、3500万円を極度額とする抵当権を自宅マンションに設定されたのである。返済にもきゅうきゅうとしたようで、その窮地を救ったのが、同郷の岩切氏だった。
「あの頃はいろいろな相談に乗ったもんです。“これで奇麗に整理しなよ”って、俺が西郷君の会社に4千万円貸して、金融業者の抵当権は外させました。一応、融資に際して自分の抵当権は設定しましたが、利子までは取らなかった」
毎月50万円を返済
西郷さんも岩切氏を裏切ることなく、毎月50万円をコツコツ返済していたが、
「がんが再発してからは、彼も治療のためにオーストラリアに行ったりもしましたし、余裕はなかったでしょうから返済は求めませんでした。それでも、存命中に1200万円を返済してくれています。残りの2800万円についても、彼の死後、奥さんが実家の財産を処分するなどしてきちんと清算してくれました」
鹿児島の「村尾」という焼酎を愛飲したという西郷さん。岩切氏は、
「赤坂あたりで飲むことが多かったのですが、俺が払わされてばかりだった」
と笑いながら、「(本名の)今川盛揮として友達になってくれたと思う」とも懐かしむ。心強い飲み友達に支えられた生涯だった。