シンガポールで遊ぶミャンマー国軍トップの家族写真が拡散… 国民は「なぜこんなことが許されるのか」と激怒

国際

  • ブックマーク

流出した「国軍トップ」家族の写真

 そんなミャンマーで国軍トップのミンアウンラインの家族の写真がSNSで拡散された。妻や息子や娘、家族たちの楽しそうな姿。場所はユニバーサル・スタジオ・シンガポールだった。ミャンマーからチャーター機で向かったという。

 ミンアウンラインだけでなく、息子や娘も経済制裁を受けている。シンガポールは経済面の制裁には加わっているが、彼らの入国まで制限していない可能性は高い。しかしシンガポールで撮られた写真は、パスポートすら手にするのが難しい国民感情を逆なでする。国軍の武器調達にかかわるミャンマー人がタイで逮捕されたが、その取り調べから、ミンアウンラインの隠し財産も発覚してきているという。

「経済制裁を受けた国軍関係者は何種類ものパスポートをもっています。私たちはなかなかパスポートがつくれないのに、彼らは簡単につくることができる」

 船員になって国外に出ようと考えているRさん(24)はいう。

 2月24日にパスポートをつくるためのQRコードの申請は再開された。しかし申し込みが殺到しているのか、なかなかつながらないという。

 ミンアウンラインのシンガポールでの写真が掲載されたSNSには、こんな文章が添えられたいた。

「どうしてこんなことが許されるのだろう?

 この一家はミャンマー人のすべての苦しみに責任があります。

 何百万もの人々がホームレスになっているのは、この一族の権力と富に対する欲のせいだ。

 どうして彼らが贅沢を楽しむことが許されるのだろうか?」

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)
1954(昭和29)年、長野県生れ。旅行作家。『12万円で世界を歩く』でデビュー。『ホテルバンコクにようこそ』『新・バンコク探検』『5万4千円でアジア大横断』『格安エアラインで世界一周』『愛蔵と泡盛酒場「山原船」物語』『世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロ』『沖縄の離島 路線バスの旅』『コロナ禍を旅する』など、アジアと旅に関する著書多数。『南の島の甲子園―八重山商工の夏』でミズノスポーツライター賞最優秀賞。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。