離婚した方が支持率アップ? 飯島直子の人気に見る「ベストマザーよりベストシングル」の時代
毎年のようにベストマザー賞受賞者が、あまりハッピーとも言えない話題で芸能界を騒がせるせいか、「良妻賢母」というポジショニングのありがたみは薄れてきたのではないか。むしろ最近では、離婚後も楽しげなシングルライフを発信する女性たちへの支持が高まってきているように思う。タレントイメージや夫婦の事情にもよるが、かつては離婚となると「我慢が足りない」「女が強すぎる」といった批判にさらされていた。でも今では「お金があるなら無理して結婚生活を続けなくてもいい」「一人で自由に暮らせるのはうらやましい」という意見も多く聞かれる。
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最近の人気者は、飯島直子さんだろう。2度の離婚を経て、今年始めたインスタグラムはたちまち話題に。フォロワーは1カ月で25万人を突破したという。
人気の理由は、飾り気のない投稿だ。揚げ物や納豆の写真が多く、全体的に茶色っぽい。近眼用のメガネ姿やすっぴんも見せるが、小洒落たフィルターなど使わない。「野暮用」だの「(うっかり)八兵衛」だの、使う言葉も昭和感が満載だ。タレント然とするのではなく、コメントに丁寧に返信しているのも好感度を高めている。
世の中は空前の未婚・非婚時代。でもどんなに独身は不幸ではないと言ったところで、キラキラした姿を見せなければ「それ見たことか」とタレントは言われてしまうもの。だから今までのバツあり美女たちは、SNSで肩肘張りすぎていた印象が強い。おしゃれな自宅での豪華な手料理に、ツヤツヤのキメ顔、我が子と仲むつまじく寄り添う姿。離婚したけれど、私は幸せです、満ち足りています、という主張が伝わってくる投稿はみな似通っていた。紗栄子さんや長谷川京子さんなど、離婚後の華やかな発信を批判された女性タレントも少なくない。
おひとりさま生活を送る人が珍しくもなくなった今、キラキラ美女に「独身も悪くないわよ」と言われても息苦しい。こういう人じゃないと、シングルは楽しいと胸を張って言えなさそうで。でも美魔女の筆頭格である飯島さんが、ヘアケアもさぼりがちとか、脂っこい食べ物も好きな実情を発信してくれると気が楽になる。あえて逆張りしているのだとしたらすごい計算だが、たぶん本当に飯島さん自身が、イメージを飾り過ぎることに余計な労力を使いたくない人なのだろう。その力の抜けた空気感もまた、今っぽいなと思う。
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