ウクライナ人学生を「難民貴族」「泥棒」呼ばわり…前橋市の日本語学校理事長が「30万円払え」と言い出したウラ事情

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補助金を減額

 前橋市が作成した資料によると、5月17日に清水理事長は前橋市長と面談したという。

「その際、清水理事長は『合計300人の避難民を受け入れたいので、市営住宅は3カ月スパンで入れ替えてほしい』と要望したのです。つまり、ウクライナ人の避難学生を受け入れ、30万円の補助金を受け取ると、3カ月後に市営住宅を出てもらう。そして新しい避難学生を受け入れると、再び30万円を手にするというプランです。30万円×300人で、合計9000万円の補助金受給を清水理事長は狙っていたフシがあるのです」(同・記者)

 市長は面談の際、《市の支援については限りがあり、ビジネス的、機械的な対応をする考えには協力できない》と釘を指したことも記録に残っている。

 前橋市は対応策を協議し、「300人の避難民の受け入れや市営住宅の入れ替え」はビジネス目的であり、「最大で9000万円をアカデミー側に支払うことは受け入れられない」との認識で一致した。

 その上で、「アカデミーが身元保証人として受け入れた避難民の補助金は10万円とする」ことを決定した。

知事選に出馬

 前橋市は5月30日、「補助金は10万円」とアカデミー側に説明。6月、アカデミー側は1人当たり10万円の補助金を申請してきたという。

「ところが9月ごろ、アカデミーは避難学生に『30万円を払え』との請求を開始したことが分かっています。前橋市が事態を把握したのは10月、避難民をアルバイトとして受け入れていた関係者が『6カ月無償だと説明されていた学費が、約3カ月で請求されているようだ』と相談してきたからです」(同・記者)

 3カ月という期間も興味深い。清水理事長が「3カ月スパンで市営住宅を入れ替えてほしい」と要望していたことを想起させる。

 補助金を減額されたため、アカデミーは避難学生に学費を請求した──こう考える前橋市民も少なくないだろう。

 この清水理事長とは一体どのような人物なのかと言えば、群馬県知事を4期務めた清水一郎氏(1918~1991)の三男で、地元ではそれなりの知名度を持っているという。

 慶応大学文学部を卒業し、もともとは前橋市でホテルを経営していたことで知られていた。こちらは2021年12月に社長から退き、代表権のない会長に就いている。

「清水理事長は選挙で変わった行動を繰り返したことでも知られています。1999年の知事選に出馬を表明しましたが、その2日後に突然の撤回。2007年の知事選には出馬するものの、選挙戦の最終日に『立候補を辞退したい』と発言して有権者を戸惑わせました。さらに、19年の県議選にも出馬し、『群馬廃県』、『前橋市と高崎市を合併して東京都に編入』といったユニークな公約を掲げました」(同・記者)

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