「女神の教室」VS「罠の戦争」「ブラッシュアップライフ」の明暗 テレビマンが分析する“リアリティ問題”

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法科大学院の現状

「女神の教室」は法科大学院(ロー・スクール)を舞台に司法試験合格を目指す若者たちを描いた青春群像劇だ。主演の北川は東京地裁の裁判官ながら青南大学法科大学院に派遣された新米教員。共演の山田裕貴(32)も教員で、東大法学部在学中に司法試験をパスした天才という役どころ。学生役には、モデルで女優の南沙良(20)、「仮面ライダーゼロワン」(テレビ朝日)に主演した高橋文哉(21)、お笑いコンビ・まえだまえだの前田旺志郎(22)、劇団EXILEの前田拳太郎(23)などなど。放送前には“ロー・スクールのリアルな日常”を謳っていた。

「まず、教員や学生のレベルが低すぎます。舞台は法科大学院ですから、ほとんどの学生が法学部の卒業生。少なくとも22歳以上のはずですが、それにしては幼く見えます。授業内容も正直言って中学校の公民の授業かと思うほどレベルが低い。模擬裁判も高校のホームルームか自由研究並みの拙さです。役者たちは脚本通り演じているのでしょうが、教員が使う法律用語や解釈には知性のかけらも見出せず、学生には司法試験に受かるぞという気概も覚悟も感じられません」

 なかなか手厳しいが、司法試験といえば最高難易度の国家試験として知られる。昨年はもっとも合格率の高い京都大学法科大学院が68・0%、次いで東京大学法科大学院が60・9%、私立大学のトップは慶応義塾大学法科大学院で57・5%だった。

「ドラマの舞台となっている地方の私大ともなれば、合格率20%がいいところ。中には一桁台のところも出始め、経営的な問題から法科大学院を閉鎖する大学が続出しているのが現実です」

 とはいえ、ドラマはフィクションだ。

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