侍ジャパンでまさかの退場劇、史上初の大乱闘…WBCで起きた「珍場面」を振り返る
判定に対する侮辱行為
3月8日からいよいよ第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕する。過去の大会では、世界一決定戦にふさわしい数々の名勝負が繰り広げられたが、その一方で、今も多くのファンの記憶に残る珍場面や珍ハプニングも多く見られた。【久保田龍雄/ライター】
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見逃し三振をコールされた打者が、バットを打席に置き去りにしてベンチに引き揚げ、退場を宣告される珍事が起きたのが、2009年の第2回大会2次ラウンドの日本対韓国だった。
1対3とリードされた日本は7回1死、城島健司がカウント3-2から韓国の2番手・尹錫珉(ユンソンミン)の外角低め一杯のスライダーを見送ったが、ハンター・ウェンデルステッド球審はストライクをコールした。
だが、「低いと思ったし、キャッチャーとしても、あのコースは取ってないと思ったから見逃した」という城島は、納得のいかない表情で手にしていたバットを本塁ベースの近くに放置すると、そのままベンチに引き揚げてしまう。
直後、ウェンデルステッド球審が「バットを取りに来い」とゼスチャーで示したが、城島が戻ってこなかったため、大会ルールにより、審判の判定に対する侮辱行為として退場を宣告した。
「なぜかわからない。何も言ってないし、バットを投げつけたわけじゃない」と戸惑う城島だったが、原辰徳監督は素直にルールを受け入れ、「大変申し訳なかった」と審判団に謝罪した。
正捕手が途中退場という想定外のアクシデントに見舞われた日本は、8回に痛恨の押し出し四球で追加点を許し、1対4で敗れた。
試合後、「こんな大事なゲームで正捕手がグラウンドにいないのは、本当にチームに迷惑をかけたと思う。そのことは反省してます」と次戦での名誉挽回を誓った城島だったが、あと味の悪い思いをしないためにも、ルールには細心の注意を払いたいものだ。
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